チャンスは作るも、点が取れない広島 悪くはないチームに足りない「余裕」
過去に降格した時との違い
GK林の言葉によると、まだチームがバラバラになったわけではない 【(C)J.LEAGUE PHOTOS】
「もし、チームがバラバラになっていたら、横浜FM戦で19本のシュートを打ってチャンスを量産することも、失点を1点に抑えることもできない」
その言葉には、説得力があった。過去、2度の降格の時はいずれも、結果が出ないことにまず選手たちが疑心暗鬼になり、攻守においてつながっていた線がブツブツと切れてしまう。そういう現象が起きていないとすれば、まだ浮上の希望が、快進撃の望みはある。
出場機会に飢えた若者か、主力の意地か
ルヴァンカップ新潟戦でゴールを決めるなど、茶島(右)が好調を維持している 【(C)J.LEAGUE PHOTOS】
「茶島の成長は実感している。彼は先発から外されても、どういう苦境にあっても腐ることなく、自分の課題を見据えて気持ちを整理し、一歩一歩伸びてきた。クオリティーは上がっているし、自信も持っている。雰囲気も一回り大きくなってきた」
森保監督も愛弟子の成長に目を細めている。G大阪戦に勝利し、横浜FMに敗れはしたが、内容は向上しているわけで、大きく何かを変える必要は少ない。ただ、形は変えなくても選手の入れ替えはおおいにあり得る。出場機会に飢えた若者たちが、チームを救えるか。責任感という鎧を着ながらもなお、爆発的なパワーを発揮して自分の未来を切り拓く若者が、出てくるのか。それとも、試合に出ている主力たちが意地を発揮してくれるのか。結局は、そこに尽きる。
「俺たちも頑張るから!」
試合後、あいさつに来た選手たちに、サポーターはそんな言葉で「一緒に戦おう」とメッセージをくれた。今度はチームが応える番だ。