がんと付き合っていくため幕引きを決断 プロレスラー・亜利弥’、決意の引退試合

ミカエル・コバタ

「私からファンの方へのプレゼント」

「私からファンの方へのプレゼント」と語る全7試合がラインナップ 【スポーツナビ】

――各試合の見どころを亜利弥’プロデューサーとして語ってもらいたいと思います。まず、第1試合の鈴木鼓太郎vs.怨霊vs.佐野直の3WAYマッチです。

 これは、素晴らしいレスリングテクニックを持ちながら無重力の怨霊選手に、鼓太郎選手がどう対処するか見ものです。その2人に、佐野選手がどう絡むか。

――第2試合は、伊藤薫vs.ドレイク森松のシングルマッチ。

 女子で100キロクラスの選手はなかなかいないんです。女子プロ界の宝です。その2人によるパワフルな闘いを見てほしいですね。実は私は体重100キロにあこがれていましたので、原点ともいえます。

――第3試合は、くいしんぼう仮面&賀川照子vs.ジャガー横田&ミス・モンゴルの変則ミックスドマッチ。1人だけ、男子が入っていますが……

 これは、お笑いチックな試合をするくいしんぼう仮面選手に、ジャガーさん、モンゴルさんが、どこまで付き合ってくれるかがポイントですね。

――第4試合は、薮下めぐみvs.ダンプ松本のシングルマッチです。

 これはもう、おなじみの定番対決を楽しんでほしいですね。

――第5試合は、紫雷イオvs.坂井澄江の一騎打ち。

 最初は「スターダム提供試合」を考えていたのですが、それならスターダムでも見ることができるので、坂井とのシングルになりました。イオ選手はふだんめったに他団体と絡まないし、スターダムのトップに対して、坂井の20年のキャリアがどこまで通じるかが見ものです。

――第6試合(セミファイナル)は、田中将斗&藤田ミノル&木藤裕次vs.葛西純&政宗&木高イサミの異色6人タッグマッチです。

 この試合は、どの組み合わせになっても注目です。私もファン目線で楽しみたいですね。ふだんは穏やか系でテクニシャンの木藤選手、政宗選手が、ほかの4人とどう闘うのか? 自分のテクニックにもっていくのか、相手の土俵に踏み込むのか注目しています。

――メーンイベント(第7試合)は、亜利弥’選手が出場する時間差バトルロイヤル。

 今のところ、ジミークネスJ.K.S.選手、ケン・片谷選手、田村和宏選手、唯我選手、土方隆司選手が決まっていますが、この日セミまでに出た選手も何人か入りますし、出ていない選手も入る予定です。クネス選手とは、まだレッスル夢ファクトリーにいたとき、大日本の巡業で一緒になって、練習もした仲なんです。田村選手は、HEAT−UPの道場ができる前、新宿のスポーツ会館で一緒に練習した仲で、最後に当たりたかったんです。

――大会全体を通して、ファンの人に見てほしい点は?

 私の引退興行というのは置いておいて、私からファンの方へのプレゼントということで、興味深いカードを組んでいます、出場する全選手、全試合に、それぞれ意味があります。私のためにと、いつもと違う試合をしてくれると思うし、ぜひ会場に見に来ていただきたいです。
 興行後はDVD販売もしませんし、情報もあまり拡散しないと思います。会場に来た方だけが見ることができる、皆さんの一生の記憶に残るくらい楽しい興行にしたい。それがたまたま、亜利弥’の引退興行だったというような素敵な大会になると信じてます。だから、1人でも多くのファンの方に見に来ていただけるとうれしいです。

――約21年の選手生活で最も印象に残る試合は?

 いっぱいありますが、横浜文化体育館で開催された大日本の15周年記念興行(2010年5月4日)のときの試合(豊田真奈美&亜利弥’&マルセラvs.アジャ・コング&GAMI&闘牛・空)ですかね。私は決して、大日本をきれいにやめたわけじゃないのに、それでも呼んでいただいてうれしかったですね。

■亜利弥’プロフィール
本名=小山亜矢。1973年3月8日生まれ、和歌山県和歌山市出身。1996年4月14日、Jd’旗揚げ大会での阿部幸江戦でデビュー。同団体退団後、大日本→LLPW→Jd’に所属。フリー転身後、プロレスのみならず、総合格闘技、キックボクシングにも挑戦。2015年2月、乳がんを患っていることが判明(当時はステージ2)。同年12月、乳がんであることをカミングアウトし、2016年1月8日に新木場1st RINGで20周年記念興行を開催。同大会では、大仁田厚、田中将斗と組み、ダンプ松本&ミス・モンゴル&KIKUZAWAと有刺鉄線ボードデスマッチで対戦した。
■「亜利弥’引退興行〜数えきれない感謝と沢山の愛を込めて〜」
4月7日(金)東京・新宿FACE 開場18:00 開始19:00


【対戦カード】
<3WAYマッチ>
鈴木鼓太郎(フリー)vs.佐野直(プロレス佐野魂)vs.怨霊(666)

<シングルマッチ>
伊藤薫(ディアナ)
ドレイク森松(ガッツワールド)

<変則ミックスドタッグマッチ>
ジャガー横田(ディアナ)、ミス・モンゴル(世界プロレス協会)
くいしんぼう仮面(フリー)、賀川照子(西口プロレス)

<シングルマッチ>
藪下めぐみ(フリー)
ダンプ松本(フリー)

<シングルマッチ>
紫雷イオ(スターダム)
坂井澄江(ROH/WOH)

<6人タッグマッチ>
田中将斗(ZERO1)、藤田ミノル(フリー)、木藤裕次(ASUKA PROJECT)
葛西純(FREEDOMS)、政宗(フリー)、木高イサミ(BASARA)

<メーンイベント 時間差バトルロイヤル>
亜利弥’、ジミークネスJ.K.S.(ドラゴンゲート)、ケン片谷(CMA東京)、田村和宏、唯我、土方隆司ほか

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