国内GIと海外馬券、共存の課題 大阪杯GI昇格による“いたしかゆし”

2年目の海外競馬馬券発売

ヴィブロスがドバイターフを制し今年も日本馬がドバイミーティングの勝ち馬に名前を連ねた、一方で馬券の売り上げは……? 【Getty Images】

 昨年、大きなニュースとなった“海外競馬の馬券発売”。10月の凱旋門賞(フランス)を皮切りに、11月のメルボルンC(オーストラリア)、ブリーダーズCフィリー&メアターフ(アメリカ)、12月の香港国際競走の4競走が発売されました。

 主催場が海外とはいえ、JRAの負担がゼロなわけではありませんが、同レベルのビッグイベントを自前で開催することを思えば、経費のかかり方は比較にはならず、それを踏まえて4回の売上に目を向けると、ざっと95億円。100億円近い馬券売上があったのですから、関係者の言葉を借りるまでもなく「予想を超えた成果」があったことは確か。

 そして海外競馬馬券発売2年目を迎えた今年、第一弾として先週3月25日の『ドバイ国際競走』の3レースが発売されました。

ドバイの売上の想定外

 1着賞金約6億6千万円のドバイワールドカップ(1996年創設)を含むGI・5レースが行われるドバイ国際競走。その5レースの総称を「ドバイミーティング」と呼び、開催日も「ドバイワールドカップデー」として、すっかり競馬主要各国に定着しています。

 日本馬も創設初年から参戦(ライブリマウント)し、遠征馬は年々増加の傾向を辿っています。今年もリアルスティールが出走を回避したものの、10頭が遠征。うちドバイターフ1頭、ドバイシーマクラシックに1頭、ドバイワールドカップに4頭が出走し、ターフを元メジャーリーガー佐々木主浩氏所有のヴィブロスが制して、今年も日本馬がドバイミーティングの勝ち馬に名を連ねました。

歴史的名馬アロゲートがドバイワールドカップを圧勝、日本での3レース売り上げは総額で25億8107万500円 【Getty Images】

 ただ、注目された馬券の売上は、3レース総額で25億8107万500円。思いのほか伸びなかったな、というのが正直な感想です。

 これについて様々な要因が挙げられています。主だったところでは、レースの出走時刻が土曜深夜だったこと、発売時間そのものが短かったこと、そして遠征馬に目玉となる馬がいなかったこと、などでしょうか。

 この遠征馬の質、ということで、もしかすると影響しているかもしれないのが、今週末に行われる新設GI大阪杯です。

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著者プロフィール

中央競馬専門紙・競馬ブック編集部で内勤業務につくかたわら遊軍的に取材現場にも足を運ぶ。週刊競馬ブックを中心に、競馬ブックweb『週刊トレセン通信』、オフィシャルブログ『いろんな話もしよう』にてコラムを執筆中。

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