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牙を失わなかった“野良犬2世”森井洋介
宮越戦は「絶対落とせないチャンス」

1度故郷に帰るも“こんな人生じゃねぇ”

一度故郷に帰ったこともあったが「こんな人生じゃねぇ」と、もう一度格闘技人生の歩みを進めた
一度故郷に帰ったこともあったが「こんな人生じゃねぇ」と、もう一度格闘技人生の歩みを進めた【スポーツナビ】

――では、長くリング外での苦闘もありましたが、キャリアを重ねチャンピオンにもなり、生活面も上向いてきた感じでしょうか。


 そうですね、ここ何年かは一気に傾いてきたかなって思います。KNOCK OUTは本当にやっと自分が思っていた、想像していた舞台が来た感じです。やっとチャンスが来ました。もう9年ですから。ジムは転々としていないけど団体は転々としていて、本当の“野良犬”になりかけていました(苦笑)。


――常にアウェーでの戦いを強いられてきたのですね。


 アウェーっていうのは別にどうでもよかったんですけど、お客さんがいないっていうのが1番キツかったです。お客さんはいない、どんなにいい試合をしても映像も撮ってない、本当にただやるだけ、みたいでキツかったです。何をモチベーションにやるんだろうっていう。そういう団体のベルトを獲っても、何のベルトなんだろうって思ってうれしくありませんでした。


――先ほどの生活に追われて志を断念してしまうだけでなく、そういった待遇面の問題でモチベーションを失い離れていってしまう選手もいますね。


 僕もいろいろありすぎて、もう辞めてやると思って1回長野に帰ったんです。帰って最初はよかったんですけど、1カ月ぐらい経ったら常に“こんな人生じゃねぇ”みたいに思ってきて。でも小林さんにはその前から相談していて、日本でやれないならタイかオランダに行くしかないと思っていたんですけど、そうしたら小林さんがちょうど「ZONE」を立ち上げて。ZONEができてからもいろいろありましたけど、ZONEが無ければ今のKNOCK OUTにも繋がっていないし、環境は上がってきて結果的にはよかったと思います。

“スゲぇ”って思ってもらえるような試合をしたい

宮越については「本当に強いと思う」と警戒。まずは1回戦突破に全力を尽くす
宮越については「本当に強いと思う」と警戒。まずは1回戦突破に全力を尽くす【写真:中原義史】

――そんな中、「KING OF KNOCK OUT初代ライト級王座決定トーナメント」1回戦で宮越選手との対戦が迫ってきました。“事実上の決勝”とも目され、注目度の高い試合となります。


 本当に強いと思いますし、その相手が1回戦かと。トーナメントは他にもスーパーライトから来る選手もいますけど、とりあえず1回戦から先のことは考えられないです。


――それぐらいの強敵であると。どちらもフットワークを駆使して動くタイプなので、好勝負が期待されています。


 フットワークに関しては相手の方が動くんじゃないですかね。あれだけ動くのはあまりいないし、やったことのないタイプです。だからゴングが鳴らないとどういう展開になるか分からないですけど、動きであったりどちらが制するか、どちらが噛み合わせられるかだと思います。でも、ここは絶対落とせない。やっとここでチャンスが来たので、なんとしてもこのチャンスをつかまないといけないです。


――先ほどの話を聞いてくると、より実感を持ってその言葉が伝わってきます。動き回るスタイルで“忍者”と呼ばれる宮越選手に対して、森井選手は説明するならどのようなスタイルでしょうか。


 どう言うんですかね……動いて、相手のリズムに合わせず倒す、スタイルですかね。判定で勝ってもあまり納得できないので、全然興味がないというか。倒して勝つのが本当の勝者だと思います。


――では、大会名の「KNOCK OUT」同様、倒して勝ってこそ森井選手の格闘技観にも合うと言いますか。


 はい、“これは強いな”って見て1発で分かるじゃないですか。“スゲぇな”って素直に思うのはやっぱりノックアウトだと思います。だから自分も“スゲぇ”って思ってもらえるような試合をしたいです。それはジムの考え方もそうだし、僕が格闘技をやろうと思った時からそう思っていたのもあると思います。倒して勝つのが格闘技だと思っていたし、そういうのは変わっていないです。


――今回の試合を楽しみにするファンの方に、最後にメッセージをお願いします。


 日本のトップの選手のスピード、破壊力を見てもらいたいです。お互いそれが出せるし、かなり激しい試合になると思います。

長谷川亮

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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