ハリル「最も難しいのはこれからだ」 W杯最終予選 タイ戦後の会見
4−0の勝利にもハリルホジッチ監督は「集中力やハードワークが足りなかった」と不満を口にした 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】
試合後の会見でヴァイッド・ハリルホジッチ監督は「素晴らしい勝利だった。しかし不満を抱く点もあった」と切り出し、「今日の対戦相手がより高いレベルの相手だったら、まったく違った展開になっていたかもしれない」とコメント。最終予選の残り3試合に向けて「われわれは今、いい位置につけているが、最も難しいのはこれからだ」と気を引き締めた。
日本は6月7日にホームでシリアと親善試合を行い、6月13日にはアウェーでイラク代表との最終予選を戦う。
集中力やハードワークが足りなかった
──プレーが止まったということだが、単純なパスミスも目立ったことについて。
うれしくない点だ。少し気を抜いたのか、ハードワークが足りていなかった。フラストレーションを感じさせるパスのクオリティーになる時間帯があった。今日の対戦相手がより高いレベルの相手だったら、まったく違った展開になっていたかもしれない。こういったところからも、われわれは教訓を得ないといけない。
──昨日の会見で「チームの強みはコレクティブ」ということだったが、今日の試合は個の力に救われたのでは?
私は批判の素を提供したのかもしれない(苦笑)。いずれにせよ4−0で勝つことができた。私の発言を批判のために利用してもいいが、4−0で(試合を)終わらせることができた。このような発言をする監督は珍しいかもしれないが、私は選手たちを祝福したい。
ただハイレベルを求めた場合、集中力やハードワークが足りなかった。このような内容になってしまうとつまずくこともあるから、ここからしっかり教訓を得る必要がある。しかし試合のほとんどの時間帯は、選手をたたえるべき内容だった。素晴らしいプレーがあり、美しい得点もあった。もちろん私も監督として、集中力とハードワークを続けさせないといけないという教訓を、この試合から得ることができた。少しでも気を抜くということも、なくしていかないといけない。
──就任以来、デュエル(球際の競り合い)の大切さを共有してきたが、今日の試合では3対1の場面でもボールを取り切れずにチャンスを作られる場面があった。その要因は何か?(大住良之/フリーランス)
今日の試合はパーフェクトとは言えない内容だった。経験不足があり、コンディションが十分ではなかったし、ゲームマネジメントも欠けていた。あまりにも簡単なパスミスがあった。そしてプレッシャーがかかるところでのデュエルも目指していたが、タイにも技術があった。サウジアラビア戦でもオーストラリア戦でも見せたように、タイの技術を無視してはいけない。
今日は何人かの選手に疲れも見えた。少しプレッシャーを感じている中で、未熟さが出てしまった選手もいたかもしれない。中盤ではボールとエリアのコントロールができなかった。攻撃の組み立てをするときは、選手同士の距離が開いていて連動することなく止まっていたため、ボールをつなぐことが困難だった。
ただし私にとっても選手にとっても、教訓を得ることができた試合だった。今後もトレーニングをして、さらに向上しなければならない。(W杯最終予選の)今後の3試合は、さらに難しいゲームになる。よりよいコンディション、特にフィジカルコンディションを上げて、さらに集中力も高めていかないといけない。選手たちにはロッカールームで「また6月にやりましょう」という話をした、選手によっては、クラブでの立場や状況の改善をしていかなければならない。(最終予選は)最終ストレートに入ってきている。3試合のうち1試合目はアウェーでのイラク戦で非常に難しいゲームだ。しっかり準備して挑んで結果を残せば、W杯への道は大きく開かれると思う。