ハリル「大迫に代わる選手は用意している」 W杯最終予選 タイ戦の前日会見

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タイ戦の前日会見に臨んだハリルホジッチ監督 【スポーツナビ】

 サッカー日本代表は28日、埼玉スタジアム2002でワールドカップ(W杯)アジア最終予選タイ戦に臨む。試合を翌日に控えた27日、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が会見に臨んだ。

 23日(現地時間)のUAE戦に2−0と勝利した日本は、勝ち点を13に伸ばし、グループBの2位をキープしている。ハリルホジッチ監督は「タイを過小評価してはならない。クオリティーのあるチームだと思う」と気を引き締めた。

 また、けがで離脱した今野と大迫に関しては「われわれに不利に働くと思う」としたうえで、「大迫と代わる選手は用意している」と明言。報道陣から「明日の先発は決まっているか」との質問が飛ぶと「11人の先発は決まらない。23人が先発だ。それがこのチームの長所だ」と答え、チーム全体で戦う姿勢をあらためて示した。

少しの気の緩みが受け入れられない結果を招く

 試合が迫ってきた。UAE戦も素晴らしい試合だったが、選手には「(UAE戦に勝利した)価値は次の試合(タイ戦)で勝つことによって生まれる」と言った。UAE戦が終わった後に「次はタイ戦だぞ」と。多くの人たちは簡単な試合だと思っているかもしれないが、私は逆だと思う。これは難しい試合になる。少しの気の緩みが受け入れられない結果を招く。1戦目(昨年9月のUAE戦)のまずい結果が、われわれの野心によって補われることを期待している。われわれの向上は続くが、タイは良いチームなので気を付けなければならない。とにかく勝利を求めている。選手たちはそれをやらなければならない段階だ。

――UAE戦で先発した大迫勇也と今野泰幸が離脱した。必然的にその2人は代わるわけだが、それ以外に選手を代えて戦うことを考えているか? UAE戦とはまったく違う戦い方になると思うが。(田村修一/フリーランス)

 今野と大迫の不在はわれわれに不利に働くと思う。特にUAE戦のパフォーマンスは素晴らしかった。それからもちろん、長谷部(誠)のけがもある。難しいが、現実を見なければならないし、他のソリューションを見つけなければならない。他の選手にチャンスを与えなければいけない。

 今朝も「チャンスがあるならばそれを生かせ」と選手に言った。なぜならば、すべてに競争が存在しているからだ。選手はもっとモチベーションが上がった状態になる。チームのために、けが人のためにプレーしなければならないというモチベーションだ。この試合に勝つため、すべての努力をしてくれると期待している。

――UAE戦の勝利はタイ戦で勝たないと意味がなくなるということだが、チームを引き締めるために何かやったことがあれば具体的に教えてほしい。(小谷紘友/フリーランス)

 まず選手が今日モチベーションがなかったとしたら、疑問を抱かなければならない。W杯への門が開かれた状態なのに、だ。今日は対話形式というより、私が選手に向けて発信した。「これは冷静に、威厳のある戦いだということだ。W杯を手にするかどうかの戦いになるぞ」「UAE戦の後に気を緩めてしまったら、プロとしては本当に失敗だ」と。彼らが責任を持って、チームのための歴史を作っていくのだ。もちろんスタッフとともにガイドしていくし、W杯に引き連れていくための経験が私にはある。

 明日、先発する選手たちは頭がすっきりした状態で臨むと思う。そして、最大限の力を出すと思う。このチャンスを絶対に手放してはならない。そして埼玉スタジアムが満員になることも分かっている。ダイナミックな雰囲気を作り、サポーターの皆さんがそれを手助けしてくれるだろう。そうした雰囲気を作ってくれるので絶対に失敗してはいけない。

 タイを過小評価してはならない。クオリティーのあるチームだと思う。イラク戦以外のすべての試合を見ているが、すごく良いプレーをしている。オーストラリアとの試合でも勝ちそうなところまで持ち込んだ。サウジアラビア、UAEとも素晴らしいプレーをしていた。高いモチベーションを持ち、ハードワークしなければならない。

――大迫と今野の代役は現段階で決まっているのか? UAE戦のテーマは「経験」だったと思うが、タイ戦のテーマは何なのか?

 大迫に代わる選手は用意している。アウェーでの勝利は自信や経験をもたらしたと思う。アウェーで勝つと新たな義務が生まれる。この勝利で満足してはいけないし、続けることが大事だ。明日また新たに勝利することで、さらに重要な義務が生まれる。そうすることによってチームが成長する。そうやってW杯をつかむのだ。

 W杯は4年かけて準備する。私は3年だが、それでもやらなければならない。一歩、悪い歩みをしてしまえば、3年の努力が無駄になってしまう。将来のあるチームを抱えているわけだが、日本サッカー全体の将来もわれわれは抱えているのだ。数年前、良くない結果で終えてしまい、去年は徐々にだが成功が始まったと言っていいと思う。今のところ良い結果が生まれている。日本フットボールのショーウインドウはA代表だ。A代表が良い結果を生めば、ショーウインドウはより美しくなると思う。私は個人的に思っているのだが、私が率いる3チーム目のチームとしてW杯に出たい。今まで以上にこのプロジェクトにはハードワークをして臨みたいと思っている。これを失敗するような愚かなことはしないつもりだ。

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