ハリル「大迫に代わる選手は用意している」 W杯最終予選 タイ戦の前日会見

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プレッシャーをしっかりとコントロールしなければ

ハリルホジッチ監督は明日の試合に向けて「プレッシャーをしっかりとコントロールしなければ」と語った 【スポーツナビ】

――UAE戦は対策が成功したが、逆にホームで相手に対策されると苦労する試合が続いている。その要因をどう考えているのか。その打開策はあるのか?

 今までアウェーでも困難な状況がたくさんあった。歴史上、アウェーでは(親善試合以外で)オーストラリアに勝ったことがなかった。UAEでも勝ったことがなかった。(W杯2次予選は)シンガポール戦の悪い試合(0−0)から始まったわけだ。最終予選の初戦、UAE戦(1−2)もそうだった。毎回繰り返したくないが、UAE戦は審判の笛(の問題)もあった。ただ、この悪かった2試合も組み立ての部分では良かったし、われわれが試合を支配したと思う。われわれの分析では、決定的な場面を仕留め切れなかった。そしてチャンスがなかったと考えている。シンガポール戦はこんなにビッグチャンスを作りながら、なぜ点が入らなかったのかという展開の試合だった。UAE戦はまた違う。勝つべき試合を負けてしまった。チームのプレー内容は良かったと思う。

 タイ戦に向けては2つのソリューションを用意している。ディスカッションのディテールには入りたくないのだが、タイ戦では何が起こるか分からない。選手にはよくない面を説明する必要はない。ただ、何が起こってもおかしくはないため、ソリューションは用意しておかなければならない。プレッシャーに引っかからないように、それから自信がないという状態も作らない方がいい。選手に朝伝えたのは、「まず頭の中を用意しなさい」ということ。「プレーをするのに素晴らしい雰囲気を作ってくれるだろう。とにかく強い気持ちと集中を見せなさい」と。FW陣には「冷静さを保て」と伝えた。特に慌てるなと。できるだけ早く点を取るにこしたことはないのだが、点が入らなくても自信を失ってはいけないし、「最後の最後まで冷静に」と伝えてある。われわれのクオリティーに疑問を抱く必要はないと思う。

 選手には祝福した。皆さんがいろいろな質問をしてくれた。たとえば、最終予選の初戦に負けたら最終予選は突破できないと言われたこともある。最終予選の突破“候補”というところまできた。今度はこれを確実にしなければならない。気を緩めてはならないのだ。プレッシャーがさらに加わってくるが、超えていくものだ。重要な試合になればなるほどプレッシャーはかかる。それがフットボールというものだ。明日、明後日とさらにプレッシャーがかかってくる。それをしっかりとコントロールしなければならない。

 個人的に、私はプレッシャーが大好きだ。「日本を去るのか?」というプレッシャーも受けたが、そういう質問も大好きだ。私にどんどんプレッシャーをかけてほしい。そういうプレッシャーは良いものではないかもしれない。皆さんもぎりぎりのラインを超えてくることもあるが、私はもっと勝つためのやる気とモチベーションが上がる。簡単ではないと思うが、私のこの性格をチームに伝えたい。とにかく勝つのが大好きだ。分かると思うが、私の仲間が全員こういう性格なわけではない。ただ、このグループには本当に愛着があるし、選手は素晴らしい人間ばかりだ。ただ、君たちを愛するためだけに来たわけではない。一緒に勝つために来たのだといつも伝えている。そういったやりとりをお互いにリスペクトしながらやっていきたい。

――明日の先発は決まっているか? その中にわれわれがびっくりするような選手は入っているか。たとえば、本田圭佑の名前はその中に入っているか?

 昨日、タクティクスの練習をして良かったし、いろいろなソリューションを用意した。まだ皆さんが私のことを理解していないようだが、11人の先発は決まらない。23人が先発だ。それがこのチームの長所だ。1人で局面を打開して勝たせる選手はいない。21試合やってきたが、コレクティブで組織的なプレーで勝ってきた。たとえば1人で5人抜いて違いを見せて勝ったような試合はない。このチームの長所はコレクティブであることだと理解してほしい。そのコレクティブなおかげで、今ここにいる。このチームはもっともっと伸びると思うが、ベースはコレクティブだ。

 もちろん、コレクティブな長所にも個人の能力は必要だが、このやり方で日本がいい結果を生むと思っている。各試合の前に、各選手が何をしなければならないのか。攻撃も守備もすべて把握している。ゲームプランも個人、それから組織も全部説明をしている。前回のオーストラリア戦やUAE戦でもいろいろなテストをしているし、タクティクスもしっかりとやってくれた。しっかりとリスペクトしてくれた。(アウェーでのオーストラリア戦は)PKを与えてしまったが、日本が歴史上一度も勝ったことがない地で2試合とも勝つことができた(オーストラリア戦は1−1の引き分け)。このチームはアウェーでも勝つのだというところは見せることができたと思うので、私は楽観的だ。野心がもっともっと上がると思うが、それはまた明日の試合後に話そう。すべてがうまくいけばの話だか。

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