ハリル「今の代表は本田を必要としている」 W杯最終予選 UAE、タイ戦メンバー発表
UAE戦、タイ戦に臨む日本代表のメンバー発表会見が行われた【スポーツナビ】 【スポーツナビ】
FC東京の高萩洋次郎が2013年7月に行われた東アジアカップ以来、3年8カ月ぶりに代表に招集されたほか、今野泰幸、倉田秋(以上、ガンバ大阪)や宇佐美貴史(アウクスブルク)らが代表復帰を果たした。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は高萩に対し、「すごくスピードがあるタイプではないが、組み立ての中で違いを見せることができるテクニックを持っている」と期待を込めた。
またチームで出場機会のない本田圭佑(ミラン)や長友佑都(インテル)を招集した意図を聞かれると、「UAE戦は経験値が重要になってくる。ユウト、ケイスケは彼らの気質も分かっていて信頼できる」と説明。W杯最終予選という大舞台に向け、経験を重視した選考であったことを明かした。
決断力をもって、勝利を目指して向かわなければ
ハリルホジッチ監督は「まずは決断力と意欲をもって向かっていかなければならない」と最終予選に臨む決意を語った 【スポーツナビ】
ヴァイッド・ハリルホジッチ(サッカー日本代表 監督)
西野朗(日本サッカー協会 技術委員長)
西野 皆さん、こんにちは。今日はSAMURAI BLUE(日本代表)メンバー発表にあたって、お集まりいただき、ありがとうございます。これから監督よりメンバーの発表、チームについての話があると思いますが、いよいよ今月23日からロシアW杯に向けてのアジア最終予選の後半戦に入ることになります。昨年のサウジアラビア戦から、かなり長いインターバルがあっての再開となりますけれども、現状はグループ2位、1ポイント差に(上位)4チームが入り、UAE、タイと非常に侮れない相手に対して後半戦に入っていくことになります。厳しいですし、しかも、3試合が中東でのアウェー戦ということになります。
自チームもそうですけれども、対戦相手の対応に対しても厳しく入っていかなければいけないという状態です。1つのゲームでもそうなんですけれど、ハーフタイムがあって後半戦に入る時に、その立ち上がりと言いますか、ハーフタイムでいろいろとチームの修正をし、整えてチームを出すことになります。ただ相手も、それに対して想定外のことがあったり、予想外のことをしてきたりというような後半戦になっていくわけなので、そういう意味でも、シリーズに対しても同じような考え方が言えると思います。23日のUAE、28日のタイ戦、この2ゲームが、このシリーズを勝ち抜いていくための大事なポイントになる、それは全員が覚悟していることです。
今回、新しい編成、選手の発表がありますけれども、厳しいとか、簡単ではないということだけではなくて、新しい編成の中で選手たちが新しいプレー、パフォーマンスを見せてくれるでしょうし、それが高いチーム力を生み出してくれるだろうと非常に楽しみであり、期待しているところでもあります。これからは予選5試合ですけれども、本大会を見据えた戦いもしっかりとやっていかなければならないと思いますし、日本チームの結束力、対応力を強く発揮して、アジアの中では力強いチーム力を発揮して見せつけていかなければいけないのではないかと考えています。チーム、選手がまた違った新しいチームパフォーマンス、チーム力を出してくれると確信しています。皆さんの協力も、これからはたくさんいただかなければなりません。共に非常に過酷な環境の中で取材されて、お願いすることもあると思います。23日からの厳しい戦いにコンディションを整えて入っていきたいと思っています。本当に皆さんの協力が必要だと思いますので、よろしくお願いします。
ハリルホジッチ 西野技術委員長が言ったように、われわれはW杯に向かう最終直線に入った。非常に困難な、難しい道のりだが、それはわれわれにとってだけ難しい直線ではなく、相手チームにとっても同様だ。非常に重要なゲームが待っている。W杯に進む同じような可能性を秘めているチームが4つある。われわれは非常に困難な最終予選の立ち上がりだったが、今はいいところにつけていると思う。まず、われわれが今やらなければいけないのは、アウェーゲームで勝利を持ち帰ること、そこで成功することだ。われわれも困難を抱えているが、ほかのチームも抱えているはずだ。そういう意味で、私はポジティブに捉えている。勝利に向けて、今準備を進めているところだ。
この2連戦、特に1試合目は簡単ではない試合になると思う。次のUAEはアブダビでなく、アル・アインに会場が変わっている。少し小さいスタジアムで、独特の雰囲気の中で大きなプレッシャーを感じながらプレーする試合になる。ここ1カ月、1カ月半、私はこの試合に向けての準備を進めてきている。欧州にいた時もそうだった。欧州にいるほぼすべての選手と会って話をしてきた。W杯に向かうための試合は3日、4日で準備はできないからそうしてきた。W杯の数年前から準備をしなければいけないということで、選手個々に要求をしてきている。代表のことを考えてほしい、この試合に向けての準備をすること、大胆に決断力を持って挑むことを要求している。このように、すべての試合で勝利を目指していかなければいけないということだ。このチームはまだUAEに勝っていない。オーストラリアに対しても同じような状況だ。
どんな形でも勝利を収めるということを考えなければいけない。選手たちは誰も第1戦(昨年9月のUAE戦、1−2で敗戦)を忘れていないと思う。われわれにとってリベンジの機会でもある。勝利を目指して、予選突破を目指していかなければならない。W杯の出場権は誰もプレゼントしてくれない。苦しみも受け入れながら戦わなければ。もしかしたら暴力的なことや挑発もあるかもしれない。フィジカル的な戦いも必ずあるだろう。そのような中でもスポーツマンシップに則って、ルールに則って戦うことができればと思う。適正なレフェリングを期待している。
そして、われわれ日本代表としては自分たちの特徴を見せ、決断力をもって、勝利を目指して向かわなければならない。バスケットボールでは「マネータイム」と言われる時間だ。W杯に出場するということは、スポーツの面だけでなく、選手たちにとても大きな出来事になる。なぜなら前回のW杯で傷を負っているからだ。彼らはモチベーションが上がっていると思う。前回のW杯の悪い思い出を消すためには、今回のW杯でまず出場することだ。日本のサッカー界のことを考えても、重要な時期に差し掛かっていると思う。代表はその国のサッカーを反映するものだ。だから、それを見せるという意味でも代表には責任がある。
先ほども言ったが、スタッフとともに長い間このゲームにむけて準備を進めてきた。戦略面でもしっかり準備をしてきている。コーチングスタッフだけでなく、メディカルスタッフとも常に一緒に仕事をしてきている。私の頭の中では準備ができている。そして、これからの2日、3日の間に選手たちにまたそれを伝えていく。まずは決断力と意欲をもって1試合目に向かっていかなければならない。次のゲームがどのような特徴になるのかということを考えると、新しい選手が入ってくる。この後、なぜこの選手を選択したのかということを説明しながら紹介していきたい。
<メンバー25名>
GK:
西川周作(浦和レッズ)
川島永嗣(メス/フランス)
林彰洋(FC東京)
DF:
酒井宏樹(マルセイユ/フランス)
酒井高徳(ハンブルガーSV/ドイツ)
長友佑都(インテル/イタリア)
槙野智章(浦和レッズ)
吉田麻也(サウサンプトン/イングランド)
森重真人(FC東京)
植田直通(鹿島アントラーズ)
昌子源(鹿島アントラーズ)
MF:
長谷部誠(フランクフルト/ドイツ)
山口蛍(セレッソ大阪)
今野泰幸(ガンバ大阪)
香川真司(ドルトムント/ドイツ)
清武弘嗣(セレッソ大阪)
高萩洋次郎(FC東京)
倉田秋(ガンバ大阪)
FW:
本田圭佑(ミラン/イタリア)
浅野拓磨(シュツットガルト/ドイツ)
原口元気(ヘルタ/ドイツ)
宇佐美貴史(アウグスブルク/ドイツ)
大迫勇也(ケルン/ドイツ)
岡崎慎司(レスター/イングランド)
久保裕也(ゲント/ベルギー)