小久保監督「これだけの本塁打は想定外」 日本vs.中国の試合後会見

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「中国選手の特長を出せた試合」

以下は中国・マクラーレン監督の一問一答。

――今日の試合を振り返って?

 非常にいい戦いをしたとは思っています。日本は今大会の中でも非常にいいチーム。昨夜の厳しい戦いから一夜明け、気持ちを切り替えて臨みました。今日の戦いでは中国選手の特長、個性が出せたと思います。ただ、内野手の送球ミスは取り返すことが難しい。ミスが大きかったです。しかしながら選手たちの成長を感じることのできた敗戦でもありました。

――日本代表チームの印象は?

 非常にポジティブなチームだと感じました。監督の野球も好きですし、チームが一つになっていて、雰囲気がすごくいいと感じました。それだけでなく、パワーがあり、肩も非常に強い。ブルペン陣も非常にいいし、メジャーリーグレベルの選手もいる。2次リーグでの幸運を祈ります。

――メジャーレベルの選手を具体的に挙げると?

 セカンドと外野手ですね。あとブルペンから出てきた複数のピッチャー。発音がうまくいかないので名前は言えないですけど……。あとは大谷(翔平/北海道日本ハム)ですね。昨年、アリゾナのキャンプで見ましたが、彼もいいと思います。

――中国代表の今大会の戦いを総括していかがですか?

 攻撃陣が機能しなかった。投手陣では、先発投手が思った通りの投球ができなかった。ブルース・チェン投手が風邪を引いて球場にも来ることができなかった。大会前から厳しい戦いになるとは思っていたが、キューバや日本といった世界の中でもレベルの高いチームと戦うことができたこの経験を生かして、前に進んで行きたいです。

――これからの中国野球の発展に向けて?

 非常に誇らしい経験だった。それは選手たちにも伝えました。まずはパワーをつけて体幹を鍛えること。投手は速いボールを投げるだけではなくて、どのようにカウントを整え、どのように勝負するかを身に付けること。ゴールは遠いですが、前には進んでいますし、若い選手たちは着実に育っている。

 この大会を最後に3人の選手、サードのレイ・チャン、キャッチャーのワン・ウェイ、最後に投げたチェン・クンも今大会を最後に引退する。この3人は長い間、中国野球の発展に非常に貢献してくれた。彼らが今後、中国代表のコーチ、監督として若い有望な選手たちに夢と希望を与えて、野球を教えてくれることを期待しています。

「非常にいいステップは踏んでいる」

――投手陣全体の今大会の出来については?

 投手陣はいい投球をした。ただ、やはり成長のためにはもう少し体を強くしないといけない。打者陣は、このような大会に出ないと、速いボールを見る機会がない。日本の投手陣のようにスピードボールを投げる投手を相手には苦戦する。なぜなら経験がないからです。ただ、中国投手陣の球速が速くなれば、打線も強化される。普段、ピッチングマシンを使った練習はしていますが、実際に生きた投手のボールと対峙するのとは違いますからね。

――MLB関係者として今後の中国野球の可能性は?

 MLBは多くのお金を投資し、私を含めて多くのアメリカ人のコーチを派遣している。非常にいいステップを踏んでいると思います。ただ時間はもう少しかかる。中国の問題の一つは、中国国内で野球の中継がないこと。そこが問題だと思います。

 これから環境が変わって、中国国内の野球をテレビで見ることができれば、日本のようにイチローや松井(秀喜)、大谷のような選手に憧れる野球少年が多くいるようなことが起きるのではないかと期待しています。そうすれば、子供たちの間にもっともっと野球が広まっていくと確信しています。

――マクラーレン監督の今後の予定は?

 私はフィラデルフィア・フィリーズのコーチでもありますので、スプリングキャンプに戻る。今回、コーチ、監督としてWBCに参加したのは3度目になるが、非常に誇らしい経験でした。明日からは頭を切り替えてフロリダに戻って、フィリーズの一員になります。

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