小久保監督「筒香は不動の4番」 1次ラウンド・キューバ戦前日会見

中島大輔

前日会見で石川の先発、筒香の4番を明言した小久保監督 【写真は共同】

 3月6日、翌日に第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の初戦を控える野球日本代表「侍ジャパン」の小久保裕紀監督が公式会見に出席。キューバとの対戦から幕を開ける今大会への意気込みを語った。

先発・石川のひょうひょうさに期待

 以下、小久保監督の一問一答。

――今日選手たちの表情を見てどう感じましたか。

 そこまでドキドキの緊張感という感じではなく、リラックスしたムードで練習していたと思います。

――監督の高ぶりはいかがですか。

 もちろん高まっては来ていますけど、明日にならないと(高ぶりが)来るか、来ないかはわからないです。

――日本が勝つためにどういう戦い方をしていきたいですか。

 強化試合を経て、ピッチャー陣にかなり手応えがあります。状態のいい選手が多いので、権藤(博)コーチとも相談しながら、球数制限もあるなかでどうつないでいこうか。しっかり逃げ切りたいなと思います。

――キューバの先発はエンテンザ投手と監督が明言しました。日本の先発を教えてください。

 石川(歩)でいきます。

――石川投手にはどんなことを期待していますか。

 結構つかみどころのない選手なので、あのひょうひょうさが明日も出てほしい。そういうピッチングスタイルも踏まえて開幕の先発にしたので、いつも通りにひょうひょうと投げてもらいたいと思います。

――今日の練習に秋山(翔吾)選手の姿が見られなかった。3日の(阪神戦で受けた)死球の影響だと思いますが。

 はい。大事をとって早めに帰して治療しましたので、明日の試合には問題ないと聞いています。

キューバの1番打者に注意

キューバ戦の先発を務める石川 【写真は共同】

――頭のなかで打順は固まりつつありますか。

 ある程度は頭の中にありますけど、もう一晩しっかり考えて決めたいと思います。

――世界一奪還への戦いが始まります。日本チームの意気込みを聞かせてください。

 世界一を取るためには初戦が大事になってくると思います。4回目のWBCのスタートをいい形で切りたいので、まずは初戦、明日勝ちにいきます。

――キューバで足を使える選手で、気をつけないといけない選手の具体名があれば教えてください。

 1番バッター(サントス)ですね。1番バッターを出さないのが一つポイントになると思います。強化試合ではそれほど結果は出なかったんですけど、あれくらいではないという見方で、2割増しくらいのスイングで来るのではという話をしています。

――2013年の第3回WBC終了後に監督に任命され、侍ジャパンのシステムもスタートしました。WBCで勝利するためにどんな準備ができていますか。

 最初の2回で世界一を経験した選手もメンバーに入っていますし、(就任して)3年やってきた中で、ある程度野手は固定できたメンバー編成になったと思っています。自分の成長は結果でしかわからないと思うので、とにかくこの大会を勝つことで示したいと思います。

――打順で考えるポイントはどこですか。

 サードのところですね。松田(宣浩)か、田中(広輔)か。独特の緊張感でスタートするので、慣れたポジションの松田で行くのがいいのか、考えようと思います。

――キューバを視察に先乗りスコアラーが台湾や韓国に行っていました。事前のデータを大事にするのか、大阪で見た感触を大事にするのか。

 両方ですね。プラス、明日実際にバッテリーが対戦してみて、スコアラーのくれたデータ通りのバッティングをしてくるかは肌で感じるしかないと思います。そこは始まってからも大いに感じるのが大切だと思います。

投手力を前面に出してやりたい

――日本代表が世界中にどういう野球でアピールしたいですか。

 投手力の高さですね。勝ち上がって行くにはそこしかないと思います。投手力を前面に出してやりたいです。

――野手は?

 どんなことがあっても筒香(嘉智)は不動の4番です。細工せずに、しっかり還す(かえす)ところは還してもらいたいという話はしています。あとは明日始まってみての独特な緊張感で、誰がいち早く普段通りの自分で落ち着いてプレーできるのかは、明日始まってみないとわからないと思います。

―― エンテンザ投手をどう攻略していきたいというイメージですか。

 先発はもちろんイメージがあるんですけど、おそらく向こうの作戦としてはピッチャーを8、9人つぎ込んでくる継投だと読んでいます。左は4シームに近いピッチャーがいるんですけど、右はほとんどボールが動くので、それを踏まえて先発重視というより、8、9人の継投で来るという形でオーダーを組んでいこうかなと思います。

――第1ラウンドの3試合でキューバ戦は最もポイントになる試合だと思いますか。

 キューバの試合が一番ポイントになってくると思っています。理由としては開幕戦ということもあって独特の緊張感があるということも含めて、厳しい戦いになるかなと思います。その後、いい形でいけるように初戦は大事なので、なんとかいい形でスタートを切りたい。そこでいいスタートを切れれば、乗っていけるのではと思っています。

※次ページは菅野智之、青木宣親、筒香嘉智の会見の一問一答。

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著者プロフィール

1979年埼玉県生まれ。上智大学在学中からスポーツライター、編集者として活動。05年夏、セルティックの中村俊輔を追い掛けてスコットランドに渡り、4年間密着取材。帰国後は主に野球を取材。新著に『プロ野球 FA宣言の闇』。2013年から中南米野球の取材を行い、2017年に上梓した『中南米野球はなぜ強いのか』(ともに亜紀書房)がミズノスポーツライター賞の優秀賞。その他の著書に『野球消滅』(新潮新書)と『人を育てる名監督の教え』(双葉社)がある。

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