実力伯仲!?キャグニー、カデナ、コマノ 今年も3強が激突! 弥生賞の記者座談会

競馬専門紙「優馬」

競馬専門紙「優馬」トラックマン座談会

 今週、日曜に組まれた重賞は、皐月賞トライアルの弥生賞。本番と同距離ということで、古くから有力馬が集結する傾向にあるが、最近10年で、ここと本番を連勝した馬は、2010年のヴィクトワールピサのみである。その本番を見据えた馬たちの戦いに、優馬TM(トラックマン)陣はいかなるジャッジを下すのか。

今年もまた3強ムード? 本紙武井は無敗馬を◎に指名

前走セントポーリア賞で能力の高さを見せつけたダイワキャグニー(撮影:日刊ゲンダイ) 【(C)競馬専門紙「優馬」】

デスク「昨年は、マカヒキ、リオンディーズ、エアスピネルと人気が抜けた3頭で決まって、3連単ですら3桁配当となったんだけど、今年もまた“3強”ムードと言えるんじゃないか?」

武井「そう言っていいかもしれませんが、ただ、昨年と比べると少し小粒の“3強”という気がするので、僕は重賞実績がなくてもダイワキャグニーに期待しました。前走は、着差の開きにくいスローの瞬発力勝負での2馬身差ですから、完勝と言っていいですし、その2着馬が共同通信杯でも2着と好走したことを考えれば、重賞レベルの力は証明したと言えます。この中間は2週連続で自己ベストを更新する意欲的な調教も積んで、更なるパワーアップも見込めます。加えて言うなら、流れに乗って競馬ができるセンスの良さも大きなアドバンテージになると思いますね」

久光ダイワキャグニーは、パドックで馬っ気を出しながら圧勝した新馬戦にも驚かされましたが、前走の強さはそれ以上の衝撃でしたね。馬具を工夫してイレ込みが軽減されたこともあったんでしょうが、前走が3ヶ月近くもの久々だったことと、手加減なしの攻め馬からも、まだまだ大きな上積みを見込んでいいでしょう」

デスク「初の右回り、中山コース、という点には不安はないのかな?」

山崎「菊沢師によると“右回りの調教で多少張るところがあるとはいえ、問題になるレベルではない”とのこと。小回りコースも“モマれたりした時の不安はあるけど、レースセンスのいい馬だし、ここでも楽しみは大きいよ”と、期待を寄せていましたね。距離延長にも全く不安はない様子でしたから、あとは力関係だけでしょう」

坂倉「僕もダイワキャグニーの能力は十分足りると思っていますが、課題のイレ込みが少々不安だけに、カデナの方を上位に取りたいですね。重賞の京都2歳S勝ちもさることながら、先日のクイーンC勝ちで牝馬クラシック戦線の有力馬に躍り出たアドマイヤミヤビと2走前で僅差だったことを考えれば、この馬も相当なレベルだと思います。阪神の稍重馬場で未勝利を勝っていることから、パワーを要求される中山2000mの適性もありそうですしね」

守屋「僕もカデナなんですが、年始の“TMアンケート”で皐月賞馬に指名したのがこの馬なんですよ。ダービー馬に指名したスワーヴリチャードが共同通信杯で楽勝してくれましたし、見立ては間違っていないとのことで…。2走前の百日草特別は、追い出したら前にいた両隣りの馬に挟まれかけて、上がり3ハロンはアドマイヤミヤビを上回ったもの。京都2歳Sは4角から直線で7〜8頭分、外をブン回して、最後は流す余裕すらあったほどですから、相当な大物感を示したといえます。デビュー4戦、全てで上がり最速を記録していますが、回転の速いピッチ走法なので中山の内回りでも対応可能でしょう。雪の影響で大山ヒルズから早めに帰厩したとのことですが、1か月以上も栗東トレセンで乗り込めたのはむしろプラスなのかも、と思います」

デスク「ただ、3ヶ月ちょっとの休み明けで、ここが本番に向けての叩き台なら、割り引きも必要かと思うんだが」

福田「中竹師に言わせると“心身ともに成長しているし、上下のバランスが良くなって均整の取れた体つきになった”とのことやから、割り引く必要はあらへんで。初コースにしても“ノビノビ走れる広いコース向きだけど、京都の内回りに対応できたのなら、タイトな中山コースでも問題ない”と。あと“休み明けなのでリラックスして走れるかどうか。あえて課題を挙げるとすれば、だけどね”と、余裕をカマすほど、状態に不安はないちゅうことや」

デスク「“3強”の一頭、コマノインパルスの◎は、直ちゃんだけなんだな」

佐藤直「急坂のある中山で求められる資質は、短い時間でトップスピードに達すること。これは、成績コマの上がり3ハロンの数字だけでは判断できないよな。カデナは、毎回上がり最速とはいえ、コマノインパルスと比べると少しスピードが乗るまで時間がかかるように思えるんだ。ここは相手のレベルも少し上がるけれども、前走の勝ちっぷりなら何らヒケは取らないし、何より同じ中山2000mが舞台だったら、素直に◎でいいよな」

山崎「その前走での大きな疲れもなかったとのことで、短期放牧を挟んでここを使ってきたわけですが、菊川師は“トモに丸みが出てきたし、気持ちも入っている”と、好状態をアピールしてました。“とにかく競馬が上手で、後ろで我慢ができて最後も脚が使える馬”というコントロールのしやすさがセールスポイントですし、コースへの不安はないという点でも、まず大崩れは考えられないでしょうね」

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著者プロフィール

競馬専門紙「優馬」のスペシャル競馬サイト。トレセンや競馬場という現場で記者やトラックマン達が仕入れてきた生情報を元に、予想記事やコラム記事を掲載しています。さらに、競馬ファンのニーズに対しダイレクトに応えていくようなコンテンツも展開。

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