大勝の中に見えた侍ジャパンの理想 自分で状況判断して動ける選手の活躍
5回、二走・秋山と一走・坂本がダブルスチールを敢行。足でチャンスを広げ、その後の追加点につなげた 【写真は共同】
成功の確信を得て仕掛けた重盗
「国際大会や、いいピッチャーが相手だと単に打つだけでは簡単には点が入らないと思います。クイックのモーションや相手のスキを見てスチールするのは、打席に立って打つよりも、根拠があれば成功する確率が高いと思う。そういうのが使えてくれば、(盗塁がなければ)1塁にいてゲッツーになるところが進塁打になったり、1個ずつ前に進んでホームに帰ってきたりするのはすごく大事だと思います。僕自身、そういう役割をやっていかなくてはいけないと思うので、形になって良かった」
ダブルスチールを成功させ、1死2、3塁から筒香のファーストゴロ(相手エラー)でリードを2点に広げた。続く中田翔のセンターへの犠牲フライでさらに1点を追加。こうして足や小技を絡めた緻密な野球で得点を奪い、最少リードを守り抜く形こそ、小久保監督は目指すところだとメンバー発表会見の際に明かしている。
田中の引っ張った一打が4得点へ
「ランナーが出たので、(最悪1、2塁間の内野ゴロで平田と)入れ替わってもいいなと思って、引っ張ろうと思ったのがいい結果につながったと思います」
田中は外角高めの140キロストレートを引っ張ってライト前に運び、無死1、2塁とチャンスを拡大。小久保監督は、「しっかり引っ張れる球を待って打つのは、広島でやっている野球だなと感じました」と賛辞を送った。この後、犠打(これを相手が送球エラー)やフィルダースチョイス、筒香のタイムリーなどが重なって4得点。リードを7点に広げ、試合の決着をつけた。