青木宣親がMLBで戦い続けられる理由 単純でも大事な「粘る」こと
6年で5度目の移籍にも「いつも通り」
メジャーでも屈指のコンタクト能力を持つ青木 【スポーツナビ】
「いつも移籍しているから、ある意味いつも通りと言えばいつも通り(笑)。普段よりもコミュニケーションを取ることはあるけど、実際のところはほとんど変わらないです」
これがメジャーの日常なのだ。選手の入れ替わりが激しく、移籍に対してもポジティブな印象を持たれることが多いという。
「自分としては全然問題ない。チームが変わって、常に心機一転やれる感じで。周りも移籍に慣れているんですよ。僕も慣れてきましたけど、周りも移籍してくる人への接し方をわかっていると感じます」
周りの状況を理解し、適応する。ポジティブに、心機一転やる。これが青木流の新しい環境に慣れるコツのようだ。
渡米して野球熱が上がってきた
日米通算2000安打にあと35本と迫るが、先を見据える本人は通過点として捉えているだろう 【写真は共同】
気付けば、青木よりもキャリアを重ねた日本人野手はイチロー、松井秀喜(元ヤンキースほか)ら、数えるほどしかいなくなった。175センチ83キロと体格にあまり恵まれない中、メジャーの第一線でプレーし続けられる理由はあるのだろうか。
「う〜ん、『粘り』かな。もう、粘るしかないよね。あきらめないことって単純だけど、すごく大事なことかもしれない」
特に「粘り」が大事だと思ったのは、昨シーズンのこと。6月にマイナー落ちしたとき、青木は打てない理由だけを集中して探し続けたという。
ある程度実績があった上でのマイナー落ち。投げやりになってもおかしくなかったはずだが、雑念を封じ込み、打てない理由をついに探し当てた。その理由は秘密というが、メジャーに復帰した7月20日以降の打率は3割3分9厘をマーク。降格前(同2割3分4厘)からの1割以上アップに「自分のやってきたことに間違いはなかった」と実感した。
「最近また火がついてきたんですよ!アメリカに行ってから、野球への熱がまた少しずつ上がってきました」と話す青木。粘って粘った先に、どんなビジョンが見えているのか。
「70歳ぐらいまでやるよ」
そんなわけないか、と笑う顔からはさすがに冗談と受け取れたが、5年後も10年後もそれ以降もグラウンドに立ち続けようとするその気持ちには、何一つ偽りがない。
(取材・文:加賀一輝/スポーツナビ)
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