【新日本プロレス】オカダがみのるのヒザ攻めを耐えIWGP王座死守 謎の覆面男タイガーマスクWとの夢対決を熱望

高木裕美

みのるのヒザ攻撃を耐え抜きIWGP王座を死守した王者オカダ 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 5日の新日本プロレス「THE NEW BEGINNING in SAPPORO〜復活!雪の札幌決戦〜」北海道・北海道立総合体育センター 北海きたえーる大会では、4大タイトルマッチなどが行われ、超満員となる5545人を動員した。
 メインイベントのIWGPヘビー級選手権試合では、40分を超える死闘の末、王者オカダ・カズチカが鈴木軍大将・鈴木みのるを退け3度目の防衛に成功。試合後は「戦いたい相手」として、正体不明の謎のマスクマン・タイガーマスクWの名前を挙げ、一騎打ちを熱望した。

お宝を求め新日本に乗り込んできた鈴木軍

お宝を求め約2年間ぶりに新日本マットに戻ってきた鈴木みのる 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 オカダとみのるは過去3度、シングルで対戦。初対決となった13年2.10広島ではみのるがゴッチ式パイルドライバーで勝利したものの、オカダがIWGPヘビー級王者となって迎えた同年5.3博多大会では、オカダが掟破りのゴッチ式ツームストンパイルドライバーからのレインメーカーでリベンジ。14年8.8横浜での「G1クライマックス」公式戦でも、オカダがレインメーカーで制している。

【写真:SHUHEI YOKOTA】

 約2年間、新日本マットを離れていたみのるだが、1.5後楽園ホール大会に突如姿を現し、「テメエらのお宝、オレたちにすべて寄越せ」と宣戦布告。「どんな手を使ってもいただく」と予告した通り、前哨戦でオカダの右ヒザを徹底的に狙い撃ちすると、前日に行われた調印式でもヒザを破壊。オカダは、右ヒザをテーピングでガチガチに固めた状態で、決戦に臨むことになった。

場外戦でも右ヒザへ集中砲火

【写真:SHUHEI YOKOTA】

 開始直後からみのるは右ヒザへ集中砲火を浴びせると、場外戦でも、カメラの三脚やイスを使った凶器攻撃。10分過ぎからは狙いを右足1本に定め、ヒールホールド、ヒザ十字固め、クロスヒールホールド、アキレス腱固め、足4の字固めと、足殺しのフルコース。オカダのマネージャーの外道がたまらずタオルを握り締めるも、オカダはただひたすら耐え続け、ロープに手を伸ばす。

鈴木軍乱入もCHAOSが撃退

鈴木軍のセコンドが乱入するもCHAOSの仲間が場外へ連れ出す 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 25分過ぎ、ようやくオカダがヘビーレインで反撃の糸口をつかむが、今度はレフェリー不在のスキに鈴木軍のセコンドが乱入。しかし、KESは矢野と石井が、タイチは外道がそれぞれ場外へ連れ出し、再び1対1の戦いへと引き戻す。

ヒールホールド、ヒザ十字固め、クロスヒールホールド、アキレス腱固め、足4の字固めと、足殺しのフルコースに外道はたまらずタオルを手に 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 オカダは4年前の博多と同じゴッチ式ツームストンを狙うも、みのるが切り返してヒールホールドからのアンクルホールド。みのるは「へし折るぞ、よーく見とけ!」と挑発しながらも、5分以上にわたって絞め上げていく。

3発目のレインメーカーでついに3カウント

3発目のレインメーカーを叩き込み3カウント 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 なおもみのるは張り手の応酬からスリーパーで捕獲し、ドロップキックから舌を出してのレインメーカーポーズ。だが、ゴッチ式パイルドライバーはオカダが2度に渡って切り返し、至近距離からのレインメーカー。張り手、頭突きで逃げようとするみのるに2発目のレインメーカーを叩き込むと、さらにジャーマンスープレックス、レインメーカーで3カウントをもぎ取った。

みのるのことが「とても嫌いになりました」

王座を死守したオカダはタイガーマスクWとの対戦を熱望 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 試合中は、みのるの執ようすぎるヒザ攻めに観客が声を失う場面もあったが、「ビンタで耳がおかしくなって、音が聞こえなくなったけど、リング上から不安そうな顔は見えたし、昨日の調印式で泣いた人もいた。女性を泣かせるのは好きではない。僕がやってきた2年間と、鈴木さんの2年間。負けられない2年間を過ごしてきたというのを示したかった」と、勝因を激白。「このベルトを持ってると、辛い戦いをしなければならないし、プレッシャーもかかる」と、王者であり続ける苦しみを抱えながらも、「新日本を背負ってるので、このベルトを守らないといけないし、守った後の快感もチャンピオンにしか分からない」と、今後も王者として、どんな敵も蹴散らしていく覚悟を明かした。
 さんざん苦しめられたみのるに対しては、「鈴木さん、あなた強いよ。今まで嫌いでしたけど、今日でとても嫌いになりました」と、その実力を認めた上で、「強い相手と戦うのがチャンピオン。鈴木さんが強ければまた戦うことになるんじゃないかと思います」と、再戦にも意欲を見せた。

タイガーマスクWとの対戦を直訴

【写真:SHUHEI YOKOTA】

 次戦は春のナンバーワン決定戦「NEW JAPAN CUP」優勝者の指名を受ける可能性もあるが、オカダは「1人、戦いたい相手がいます。僕個人として興味があるのは、タイガーマスクW。NJCは出ないと思うけど、新日本がOKと言うのであれば、オカダvs.タイガーマスクW、やらせてください」と、昨年10.10東京・両国国技館大会で初登場を果たした謎のマスクマンとの対戦を直訴。「誰だか知らないけど、興味がある。自分はNJW関係ないし、その間にやりたい。名前を出すことで実現させたい」と、ドリームマッチ的な位置づけで一騎打ちを行いたいという熱意を訴えた。
 まだ新日本マットには2試合しか登場していないタイガーマスクWだが、よく似たファイトスタイルの男とは、オカダは過去2回一騎打ちを経験しており、またも名勝負誕生の予感がしそうだ。

【写真:SHUHEI YOKOTA】

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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