早実・履正社勢以外にも逸材が勢ぞろい センバツ注目プレーヤーを一挙紹介

松倉雄太

『デカプリオ』と『あばれる君』

智弁学園・福元は昨春のセンバツでも大活躍を見せた 【写真は共同】

 野手では安田、若林、清宮、野村にひけをとらない打力を持つ、2人のスラッガーをまず挙げたい。

 まずは日大三の金成麗生(2年)。193センチ101キロの恵まれた体の持ち主で、整った顔立ちから愛称は『デカプリオ』。東京大会では3本塁打14打点をマークした。中でも決勝の早稲田実戦では5回に神宮球場の右中間スタンド最深部に放り込む特大の一発を放ち、観客を沸かせた。

 中学までは投手をしており、新チーム結成後の練習試合では4試合で登板記録がある。バッターボックスだけでなく、ブルペンでもその姿を見られるかもしれない。

 もう一人は神戸国際大付(兵庫)の猪田和希(2年)。昨夏から4番を打つ右のスラッガーだ。秋の公式戦では4本塁打14打点を記録。加えて強肩を生かし、8月から捕手にコンバートされた。経験がないポジションに最初は戸惑ったが、1試合ごとに上達。12試合で許した盗塁が2つだけというのも優秀な数字だ。初見参の甲子園で、秋の大会中についた『あばれる君』のニックネームを全国に広めるつもりだ。

1番にチーム最多打点が集中

盛岡大付・植田は昨夏の甲子園でも一発を放っている 【写真は共同】

 各チームの秋の成績を見ると、ある項目が1番打者に集中しているのがわかる。それがチーム最多打点。

 札幌第一(北海道)・宮澤晃汰(2年)の18を筆頭に、静岡・大石哲平(2年)と福井工大福井(福井)の北川智也(2年)が16打点を記録。そして、盛岡大付(岩手)の植田拓(2年)と福岡大大濠・久保田有哉(2年)が15と続く。

 昨夏の甲子園優勝メンバーでもある作新学院・鈴木萌斗(2年)も、秋は1番打者として11打点を記録した。数は少ないが、21世紀枠で出場する中村(高知)の岡本諒(1年)の5打点もチームトップである。

 各選手が春にどの打順で登場するかは現時点ではわからないが、投手にとっては走者をためて回したくない打者であるのは間違いない。

投打でセンスあふれる西巻

仙台育英・西巻は1年夏の甲子園も経験した、センスあふれる選手だ 【写真は共同】

 仙台育英の西巻賢二(2年)は18安打、11四死球がチームトップ。1番打者として申し分のない数字だ。それだけではなくリリーフ投手として試合終盤にマウンドに立つ。6試合に登板し、9イニングで1点も取られなかった。投打両面でセンスあふれる選手だ。

 そして最後に忘れてはならないのが智弁学園(奈良)の福元悠真(2年)。昨春のセンバツでは4番打者として初優勝に貢献した。新チームでは1番で起用され、24打数12安打の打率5割と活躍。小坂将商監督から、主将としてチームを引っ張る役割も与えられた。史上3校目の春連覇を目指し、この福元が紫紺の優勝旗を返還して89回目のセンバツは幕を開ける。

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著者プロフィール

 1980年12月5日生まれ。小学校時代はリトルリーグでプレーしていたが、中学時代からは野球観戦に没頭。極端な言い方をすれば、野球を観戦するためならば、どこへでも行ってしまう。2004年からスポーツライターとなり、野球雑誌『ホームラン』などに寄稿している。また、2005年からはABCテレビ『速報甲子園への道』のリサーチャーとしても活動中。

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