選考会の“ネガティブスプリット”も試したい 山下佐知子監督が考える女子マラソン再興

折山淑美

地元の利を生かすために夏の東京で練習を

東京五輪まで残り4年を切り、ここからは地元の利を生かしたトレーニングなども行いたいと話す 【スポーツナビ】

 東京五輪で地元の利を生かすには、気象条件を味方にするということは一番に重視したいと思います。
長距離選手は通常、夏場は国内外の涼しいところを求めて合宿をしますが、強化選手には敢えて東京五輪開催時期と同じような時期に東京に集まってもらい、東京五輪本番に近い気象条件下で30キロ走を実施するなどしてデータをとり、選手の特性に応じた具体的な暑さ対策を処方する必要があると思います、また五輪のコースが正式に決まればその時期に実際にコースを走って戦術のシミュレーションをする事もできます。

 そういった強化選手を集めた場に女子マラソン界のかつてのメダリストにもご参加頂き、現役選手に経験を伝えてもらう、練習に立ち会ってもらうなど協力をお願いして、日本女子マラソン界の歴史を紡いでいきたいです。

著作紹介(PR)

【文藝春秋】

■タイトル
「日本のマラソンはなぜダメになったのか
日本記録を更新した 7 人の侍の声を聞け! 」
著者:折山淑美

■内容
男子マラソンの日本記録が14年も更新されていないのをご存じだろうか。それでもなお、リオ五輪の男子マラソン中継は視聴率ナンバーワンだった。ちなみに女子マラソンは3位。日本人のマラソンへの興味は尽きることがない。かつて世界で名を轟かせていた宗茂、瀬古利彦、中山竹通、その後も日本記録を更新してきた児玉泰介、犬伏孝行、藤田敦史、高岡寿成、この7人にインタビューし、当時の勝利の方程式、現在のマラソン界の問題点を語ってもらった。彼らの多くが口にしたのが、「練習量が少ない」ということだったが、あとがきのなかで現役の川内優輝が語る“景色”もまた非常に興味深い。2020年東京五輪で再び表彰台に上るために必要なことが凝縮された1冊である。

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著者プロフィール

1953年1月26日長野県生まれ。神奈川大学工学部卒業後、『週刊プレイボーイ』『月刊プレイボーイ』『Number』『Sportiva』ほかで活躍中の「アマチュアスポーツ」専門ライター。著書『誰よりも遠くへ―原田雅彦と男達の熱き闘い―』(集英社)『高橋尚子 金メダルへの絆』(構成/日本文芸社)『船木和喜をK点まで運んだ3つの風』(学習研究社)『眠らないウサギ―井上康生の柔道一直線!』(創美社)『末続慎吾×高野進--栄光への助走 日本人でも世界と戦える! 』(集英社)『泳げ!北島ッ 金メダルまでの軌跡』(太田出版)ほか多数。

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