2017年に飛躍するのは誰だ!? プロ野球ネクストブレーク候補図鑑

ベースボール・タイムズ

“名前先行”とは言わせない本田圭佑

今秋のU−23ワールドカップでMVP級の活躍をした西武・本田。来季は日の丸を背負った経験を生かしたい 【Getty Images】

 続いてパ・リーグ。投手では今季、高梨裕稔(北海道日本ハム)が新人王に輝いたほか、ルーキーの多和田真三郎(埼玉西武)、加藤貴之(日本ハム)がともに7勝を挙げ、先発に転向した千賀滉大(福岡ソフトバンク)は12勝3敗、防御率2.61の好成績で侍ジャパンのメンバーにも選出された。

 来季を見据えても楽しみな原石たちがそろうが、特に期待したいのが、来季高卒3年目となる安楽智大(東北楽天)だ。済美高時代の荒々しさこそ薄れるも、投球フォームに柔らかさが加わり、そこから繰り出される剛速球は依然として魅力十分。今季は1軍で15試合に登板して3勝5敗、防御率3.42。今秋に行われたU−23ワールドカップでの投球内容には不満が残ったが、来季の先発ローテ入り&2ケタ勝利で自らの実力を再び証明したいところだ。

 そのU−23ワールドカップで評価を上げたのが、大卒1年目の本田圭佑(西武)だ。当初は“名前先行”だったが、1年目からプロ初先発を経験し、そして選ばれたU−23代表では、ニカラグア戦、韓国戦に先発して計15イニングを1失点の快投。決勝のオーストラリア戦では救援登板して2回パーフェクトで5三振を奪ってみせた。岸孝之が楽天へ移籍した来季は、一気に開幕ローテ入りもあり得る。

 さらに来季で高卒2年目となる高橋純平、高橋の1年先輩にあたる松本裕樹(ともにソフトバンク)のドラフト1位コンビにも期待。もちろん、5球団競合の剛腕・田中正義(創価大→ソフトバンク)が1年目からブレークできるかどうかも、大きな注目点になる。

大田泰示、北の大地での爆発はあるか!?

トレードで日本ハムへの加入が決まった大田(写真左)。未完の大器が開花する瞬間を多くのファンが待ちわびている 【写真は共同】

 最後はパ・リーグの野手陣。大卒3年目の山川穂高(西武)が今季14本塁打、ルーキーの吉田正尚(オリックス)が10本塁打を放ち、大きな期待を受けている若きスラッガーたちがブレークの兆しを見せている。だが、この“本命”の2人以外にも可能性を秘める選手は存在する。

 その一人が、中川大志(楽天)だ。13年にイースタン2冠(本塁打、打点)に輝くと、昨季は1軍62試合出場で5本塁打をマーク。今季は22試合で2本塁打も、9月4日のソフトバンク戦で自身初の満塁弾を放ち存在をアピール。高卒9年目を迎える来季こそは大ブレークを果たしたい。

 そして新天地での爆発を誓うのが、大田泰示(日本ハム)である。巨人での8年間は歯がゆさの連続だったが、秘めたる能力の高さは誰もが認めるところ。トレードを経て、環境が変われば一気にブレークを果たす可能性は十分にある。まだ26歳。決して早くはないが、遅いとも思わない。挫折を味わったことのある多くの野球ファンに向け、自らの生きざまと、確かな答えを見せてもらいたい。

(三和直樹/ベースボール・タイムズ)

2/2ページ

著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント