就任2年目の優勝なるか!? プロ野球過去の新人監督の成績から学ぶ
大きなカギとなる「開幕ダッシュ」
初の監督就任から2年目で優勝した監督 【スポーツナビ】
就任1年目は一度も優勝争いに加わることなく低空飛行を続けた梨田近鉄は、翌01年は4月終了時点で16勝11敗1分け、勝率5割9分3厘と首位発進。チーム防御率4.98ながら、やる気になった“いてまえ打線”が爆発して、北川博敏の代打逆転優勝サヨナラ満塁本塁打へとつなげた。
その他、05年の岡田阪神は7勝2敗1分けとスタートダッシュに成功。10年の秋山ソフトバンクも4月を終えて20勝14敗の好発進を決め、首位ロッテと0.5ゲーム差の3位に付けた。そして今季の緒方広島は、前年の4月最下位(9勝16敗)の反省を生かし、今年は4月14日に首位に立つなど、4月終了時点で16勝12敗と貯金を作り、首位・巨人と0.5ゲーム差の2位。6月5日以降はシーズン終了まで首位を突っ走った。来季、就任2年目を迎える新人監督たちにとっても、来季の「開幕ダッシュ」は大きなカギになるだろう。
2年目に結果を残してきた名将たち
仰木、星野、梨田の4監督は複数チームで2年目優勝を成し遂げている 【スポーツナビ】
星野仙一氏も中日、阪神でともに監督就任2年目にリーグ優勝。そして現在楽天を率いる梨田監督は前述した近鉄2年目とともに、日本ハムでも就任2年目にリーグ優勝。今度は楽天で、今季5位から自身3度目の“2年目優勝”を目指す。
就任1年目に優勝した指揮官も含め、のちに「名将」と呼ばれる男たちは監督就任2年以内に目に見える形の結果を残している。特にオフのストーブリーグを騒がせている巨人、阪神を率いる高橋、金本の両指揮官にとっては来季、自身の監督生命をかけた正念場のシーズンなる。その道のりは、決して簡単なものではない。
(文・三和直樹、グラフィックデザイン・山崎理美)