気になる外国人選手の去就は!? 12球団来季の助っ人陣容まとめ

ベースボール・タイムズ
 プロ野球もオフシーズンに突入し、各球団の来季の陣容が徐々に固まりつつある。その中で重要なのが外国人選手だろう。チームの成績に直結する助っ人の出来。改めて2016年の外国人選手の活躍度を振り返りながら、現時点で判明している来季の陣容を探りたい。

北海道日本ハム:バースの後釜確保を

メジャー復帰を目指し日本ハムを退団したバース。日本シリーズではフル回転の活躍だった 【写真は共同】

 10年ぶり日本一への道のりにおいて、助っ人勢の活躍は不可欠だった。メンドーサが先発ローテを守り、バースが先発&中継ぎでフル回転すれば、マーティンは守護神に君臨。来日2年目のレアードは“スシパワー”をさく裂させて本塁打王に輝いた。

 球団としては全4選手の残留を目指したが、今季37試合に登板し、日本シリーズでは5試合で3勝0敗、防御率0.00の活躍で優秀選手賞にも選ばれたバースが、帰国後にメジャー復帰の意向を示して退団が決定。連覇へ向けては、新たな外国人投手を獲得する必要がある。増井浩俊が来季も先発として起用されることが濃厚なことを考えると、バース同様に中継ぎでフル回転できる人材を確保したいところだ。

<来季所属予定選手>
・メンドーサ(23試合7勝8敗、防御率3.88)
・マーティン(52試合2勝0敗21S、防御率1.07)
・レアード(143試合、打率2割6分3厘、39本塁打、97打点)

福岡ソフトバンク:新たな大砲を獲得へ

 守護神のサファテが2年連続40セーブを達成し、25歳のスアレスはセットアッパーとして周囲の期待を大きく上回る活躍を見せた。その一方で、李大浩(マリナーズよりFA)に代わる主砲として期待されたカニザレスが打率1割7分9厘、0本塁打と不振。前年よりもチーム本塁打数が27本減少し、「世紀のV逸」の要因の一つになった。

 投打ともに戦力的には不足はない状態だが、打線の破壊力アップのために新たな大砲を手に入れたいところ。現状では、韓国で2年連続40本塁打をマークしたテイムズや、千葉ロッテのデスパイネなどの名前が候補に挙がっているが、果たしてどうなるか。巧打者はそろっているだけに、一発長打で均衡を打ち破れるパワーと勝負強さを持った人材が欲しい。

<来季所属予定選手>
・バンデンハーク(13試合7勝3敗、防御率3.84)
・サファテ(64試合0勝7敗43S、防御率1.88)
・スアレス(58試合2勝6敗26H1S、防御率3.19)

千葉ロッテ:ダフィーの真価はいかに

 来日3年目のデスパイネが今季も主砲として活躍し、得点圏打率3割2分0厘の勝負強さを見せた。スタンリッジは8勝止まりだったが、先発要員として必要不可欠。3試合登板で未勝利だったイ・デウンは兵役のために退団し、開幕前に騒がせたナバーロも打率2割1分7厘の低打率に苦しんで1年でチームを去ることになった。

 球団は打線強化のための新たな外国人打者として、1メートル91、98キロ、右打ちのダフィーの獲得を発表。マイナー通算94本塁打の長打力が売りで、メジャーでも通算11試合に出場した新大砲が日本になじめるか。残留に向けて、デスパイネとの契約更新交渉も早めに進めたい。

<来季所属予定選手>
・スタンリッジ(24試合8勝8敗、防御率3.56)
・チェン・グァンユウ(7試合1勝1敗、防御率4.01)
・デスパイネ(134試合、打率2割8分0厘、24本塁打、92打点)
・ダフィー(内野手、米アストロズ)※新加入

埼玉西武:“ハズレ”続きの投手陣……

西武に加入したシュリッター。最速158キロの剛球で、低迷続きの助っ人投手陣の起爆剤になりたい(写真はカブス時代) 【Getty Images】

 来日3年目のメヒアが35本塁打&103打点と期待にたがわぬ爆発ぶりを見せ、来季から新たに推定年俸5億円プラス出来高での3年契約を結んだ。しかし、助っ人投手陣は登板する度に炎上を繰り返し、唯一シーズン途中加入のウルフが8月末から4勝を挙げたのみだった。

 球団は新たに、メジャーで主に中継ぎとして通算78試合登板、3勝6敗、防御率5.40の実績を持つシュリッターを獲得。196センチ、107キロの巨体から投げ下ろす剛球に期待が集まる。今季に限らず、近年は外国人投手の“ハズレ”が続いているだけに、そろそろ“アタリ”を引き当て、低迷打破への起爆剤にしたい。

<来季所属予定選手>
・ウルフ(4試合4勝0敗、防御率3.04)
・郭俊麟(12試合0勝3敗、防御率8.46)
・メヒア(137試合、打率2割5分2厘、35本塁打、103打点)
・シュリッター(投手、米ロッキーズ傘下3A)※新加入

東北楽天:残留3野手の進化に期待

 メジャー通算162本塁打のゴームズが開幕1カ月を待たずに帰国、退団となり、ブリガム、リズ、レイといった投手陣も期待外れで退団となった一方で、ウィーラーが27本塁打と奮闘し、7月に途中加入したペゲーロも3カ月弱で2ケタ本塁打を達成。投手陣では故障明けのミコライオがセットアッパーとして抜群の安定感を見せた。

 来季へ向けて、現時点で正式発表には至ってないが、新たにメジャー通算109試合に登板している救援右腕・ハーマンの獲得が濃厚。ブルペンを厚くするとともに、新たに先発ローテ候補も加えたいところ。そしてアマダーも含め残留した3人の助っ人野手陣が、今季の経験を糧にして進化した姿を見せることができれば、打線の破壊力は一気に増すはずだ。

<来季所属予定選手>
・ミコライオ(45試合5勝1敗23H、防御率2.38)
・ウィ−ラー(140試合、打率2割6分5厘、27本塁打、88打点)
・ペゲーロ(51試合、打率2割7分9厘、10本塁打、26打点)
・アマダー(39試合、打率2割5分8厘、9本塁打、19打点)
・ハーマン(投手、米フィリーズ傘下3A)※新加入予定

オリックス:大量在籍もほぼ期待外れ……

 計7人の外国人選手が在籍したが、来日4年目のディクソンが先発ローテとして働いたのみ。巧打で評判の高かったボグセビックは不振、日本での実績豊富なブランコは度重なる怪我と戦力にならず。その他、コーディエ、ミッシュの投手陣も全くの期待外れで退団となった。

 来季へ向けては、ディクソンとモレルが残留。新たにメジャー通算407試合登板で22勝を挙げている先発候補の左腕・コーク、最速154キロの中継ぎ右腕・ウェスト、“ポスト糸井”として強打の外野手・ロメロの3選手と大筋合意し、正式発表を待っている状況だ。他球団以上に、助っ人陣の働きがチーム浮沈のカギを握っていることは間違いない。

<来季所属予定選手>
・ディクソン(27試合9勝11敗、防御率4.36)
・モレル(94試合、打率2割4分4厘、8本塁打、38打点)
・コーク(投手、米パイレーツ)※新加入予定
・ウェスト(投手、米ドジャース)※新加入予定
・ロメロ(外野手、米マリナーズ)※新加入予定

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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