中垣内祐一、中田久美が抱負を語る 全日本バレー男女代表監督 就任会見

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新監督就任会見を行った男子の中垣内監督(左)、木村会長(中央)、女子の中田監督 【写真:伊藤真吾/アフロ】

 日本バレーボール協会は26日、都内で会見を行い、全日本男女バレーボールチームの新監督就任内定会見を行った。全日本男子チーム「龍神NIPPON」には堺ブレイザーズ部長の中垣内祐一氏、全日本女子チーム「火の鳥NIPPON」には久光製薬スプリングス総監督の中田久美氏が就任する。正式就任は2016−17シーズンのV・プレミアリーグ終了後となる。

 男子代表は現在、2大会連続で五輪出場を逃しているが、中垣内監督は「とっぴだとか現実的ではないとおっしゃる方がいるかもしれませんが、私は挑戦する以上はメダルを取りたい」と高い目標を掲げた。中田監督は1982年の生沼スミエさん以来、史上2人目の女性監督になることについて、「女性指導者の強みを最大限に生かす。丁寧に選手たちと寄り添いながら一緒に戦っていけるというのが女性の強み」と語った。

木村会長が代表監督の選考過程を説明

新監督の選考過程を説明する木村会長 【写真:伊藤真吾/アフロ】

登壇者:
木村憲治(日本バレーボール協会会長兼強化本部長)
中垣内祐一(全日本男子監督)
中田久美(全日本女子監督)

木村 昨日行われました理事会において、中垣内祐一、中田久美の両氏が新しい全日本の監督として承認され、決定しましたことを、まずはご報告させていただきます。簡単に決定までの経緯を申し上げます。私どもには監督専任規定というものがあります。それにのっとって昨日の理事会まで準備を進めてきました。中身は強化委員会の意見を尊重するという形です。特に男子は6月の上旬で五輪予選が終わり、残念ながら五輪出場を逃しましたので、緊急の強化委員会を開きました。それを含め、計4回の強化委員会を、この2年間の振り返りも含めて行ってきました。女子はリオデジャネイロ五輪終了後、計2回の強化委員会を開きました。男女それぞれで回数は異なりますが、強化委員会を開いて候補者を選考してまいりました。

 その次に、強化本部として本部会議で候補者たちに対してアドバイスを。アドバイスというのは、強化本部にはメディカルやアスリート委員会、科学研究委員会といった強化委員会に入っていないメンバーも入っていますし、3名ほどの顧問が入っています。強化委員会から挙がってきた候補者たちに対して、違う見方でのアドバイスを添えました。

 そしてその次が監督候補者推薦委員会というものです。こちらは2回ほど開かれまして、候補者との面談を行って候補者を絞り、そして昨日の理事会にかけて最終的に両名を承認していただいた。簡単ですが、以上の流れで新監督を選任しました。

中垣内「縦と横の一貫指導をしたい」

若手の有望選手たちに対し、中垣内監督は「一貫指導をしたい」と抱負を語った 【写真:伊藤真吾/アフロ】

 続いて、中垣内監督のあいさつと抱負。

中垣内 率直に申し上げて、再びこういった場所に戻ってきたことについて、不思議な感じが致します。前回の五輪終了後、バレーボール界に非常にご迷惑をおかけし、バレー界からは一度離れました。東京五輪に向けて再び、それも監督として挑戦できること、そして多くの記者の方たちに来ていただいたことに、身が引き締まる思いです。

 具体的にどうするかについては、まず若い有望な選手が多数おりますので、こういった選手たちに本当の意味での一貫指導をしたい。U−23のカテゴリー、U−20のカテゴリーと合わせて、シニアと近い立場での練習を行いたい。監督同士の問題意識なども共有することで、スムーズな強化・連携をしたいと思っています。これが「縦の一貫指導」だとすると、それに加えてVリーグや大学と「横の一貫指導」もやりたい。上下左右での一貫指導というものを考えています。実際に私もバレーボールに対してブランクもあるものですから、さまざまな方のご支援・ご指導を受けながら進めていきたいと思っています。Vリーグの監督にも指導に協力してもらうケースが多々あるでしょうし、われわれのコンセプトを説明し、共有していくことで縦と横の一貫指導をつなげていけないかと思っているところです。

 技術面については、若い選手には長身の選手がいますけれども、身長に恵まれないチームですので、サーブを強化していきたいです。特にジャンプサーブだけではなく、ジャンプフローター(サーブ)のスピードアップ、打つ場所についても厳しく追求していきたいと思っています。

 選手選考については、前任の南部(正司)監督が選んだ選手たちを中心に選考していくことになると思います。Vリーグをよく見ることで新しい人材を発掘していくことも合わせて考えています。

 続いて、中田監督のあいさつと抱負。

中田 たくさんの方々にお集まりいただき、あらためて責任の重さを感じています。女子監督は生沼さんに続いて2人目ということですが、生沼さんが監督をされていたとき(82年)に私は現役でした。そのときに、技術面やその他の面でもたくさん支えられた部分がありました。これから東京五輪まで限られた時間ですけれど、女性指導者の強みを最大限に生かして少しでも良い色のメダルを獲得すべく頑張りたいと思うのでよろしくお願いします。

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