山口蛍「ここまで劇的なゴールはない」 W杯最終予選 イラク戦後の選手コメント

スポーツナビ

原口元気(ヘルタ・ベルリン/ドイツ)

2試合連続ゴールを決めた原口だが、オーストラリア戦に向け気を引き締めた 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

「今日のようなプレーだとやられてしまう」

 難しいですね。コメントするのは。でも(今日の勝利を)意味のある勝ち点3にするためには、次の試合が大事だと思うし、やっぱり簡単ではないと感じました。

(ゴールシーンについて)あれは良さが出たと思いますし、あのボールの取り方は得意なので。その後、出ていって、キヨ君(清武)と(本田)圭佑君がいいコンビネーションで崩してくれたのでいいところに入れたし、少しラッキーな部分はありましたが、決まって良かったと思います。得点のシーンは落ち着いていたと思うし、あれだけ速い攻撃ができれば、どういう相手にもチャンスは作れると思います。逆に言えば、ああいう良い攻撃がなかなかその後、形にならなかったのは課題です。ああいうプレーを増やしたいと思います。(シュートはいかにもセンターFWが取るようなゴールだったが?)ヘルタだとあそこは入れないですからね(笑)。ヘルタだったらおこぼれを狙っている感じですが、代表だとオカさん(岡崎)がうまく見てくれて、僕が入るスペースがあったので。

(前日練習では「危機感しかない」と言っていたが?)次はもっと強い相手(オーストラリア)なので、今日のようなプレーだとやられてしまうと感じています。そのためにもっと良い準備をして、もっと良いプレーをしなければ勝てないと思います。

(最終予選のラッキーボーイになれる?)いや、運だとは思っていないし、自分のやるべきことをやって、それが形になるかならないかはチームの状況もある。僕1人で点を取れるわけではないので、よりコンビネーションやコンディションを気にしながらやっていくしかないです。

清武弘嗣(セビージャ/スペイン)

2ゴールを演出した清武は終盤に攻撃が単調になったことを課題に挙げた 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】

「65分過ぎから攻めが単調になった」

(トップ下で先発出場を果たしたが?)引き分けだったら本当にヤバかったし、まずは勝ってよかったと思います。(自身のプレーについて)前半も後半も悪くはなかったですけれど、65分過ぎくらいから結構攻めが単調になったので、そこからかなというふうに思います。

(先制点について)ああいう(パスを)出して追い越す動きはやっぱりアジアではついてこれないし、それは分かっていたことです。元気が決めて良かったなと思います。

香川真司(ドルトムント/ドイツ)

出場機会がなかった香川(左から2番目)。次戦に向けて気持ちを切り替えた 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

「評価は結果を残して勝ち取っていくもの」

(どういう気持ちで試合を見ていた?)点を取ってくれて良かったです。(試合に出られず悔しい思いがある?)もちろん悔しいですが、今は勝つことが何より大事。一番大事な勝ちが得られたのでよかったと思います。

(オーストラリア戦に向けて)イメージは常にしていますし、とりあえず僕はしっかりと練習します。どんな状況になるか分からないですし、次は強い相手なので必ずさらに厳しい試合になると思うので、しっかりと勝ち切れるように準備します。(監督から何か説明はあったのか?)それは特にないです。別に個人に言う必要はないでしょう。それなら全員に言う必要がある。

(清武とのポジション争いについて)トップ下でうまくアシストすることだったり、あいつ(清武)はセットプレーが脅威になるので、そういうところは武器ではありますね。それが結果につながったことはすごく評価されるべきだと思います。(自分だったらどういう武器を出す?)自分には自分の良さがあるし、キヨにはキヨの良さがあるので、それは監督が判断することです。今は結果を残した者が残っていけばいいですし、自分が必要になった時にしっかりとピッチで表現できるように準備していきたいと思います。

 どんな試合でも結果を残したということが何より大事だと思いますし、そうやって評価は勝ち取っていくものだと思うので、そういう意味では元気にしろ、キヨにしろ、また蛍にしろ、そういう選手が(点を)取ったことは本当に素晴らしい結果だと思います。

酒井高徳(ハンブルガーSV/ドイツ)

酒井高は「もっとインパクトを残したい」と語り、結果にこだわる姿勢を見せた 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】

「スタメンだと胸を張って言えるポジションではない」

 向こうは90分を通して、日本にどうやって対抗したらいいのかを分かっていました。UAE戦もそうですが、はっきりした戦い方で90分通して同じテンポで戦う力が相手にもついてきているというのはやっていて感じます。でも、勝ち切れたことで、大きな何かを一つ手に入れられたのかなと思います。

(同じロンドン五輪世代の2人が点を取った。チームを引っ張っていくという意識がある?)そう思っています。なのに、失点に絡んで、何をしているんだろうと深く考えてしまったところもありますけれど、その自覚を忘れずにいることが大事だと思います。諦めるのはいつでもできるので、やり続けることがプロとして一番大事だと思います。成長の過程に失敗はつきものだし、いい教訓にして次に進みたい。自分も何かしらの形で貢献できるという画をしっかり描きながらやりたい。(勝ってホッとした?)もちろんホッとしました。自分の失点で同点になってしまった部分もあるので、なおさらホッとしました(編注:酒井高はゴールを決められたアブドゥルアミールのマークについていた)。

(スタメンでプレーするサイクルには慣れた?)チームではある程度、自信を持ってレギュラーと言い張れるけれど、代表ではまだ(長友)佑都くんの代わりに出たと自分では捉えています。チームで出られない苦しさやコンディションが上がらない感じは僕もすごく理解できます。誰かが代わりにというのはあるけれど、もちろん出るからにはポジションを渡したくないし、そういう意味では今日の試合に懸ける思いは強かったのですが、結果が自分の思いとは正反対なものになってしまったのは悔しいです。自分はまだ、代表でスタメンだと胸を張って言えるようなポジションではないです。それは悪い意味で捉えているわけじゃなく、常にチャレンジャーの気持ちです。

(求めることは?)やっぱり結果です。アシストだったりで貢献するところがまだまだ足りていないし、信頼が足りていないと思うので。今日も攻撃では特に良いところがなかったので、もっとインパクトを残したいし、外から見ていて攻撃も守備もいいなと思われるようなところからやっていかないといけない。いつもメディアの前で「結果」と言っているので、そこは貫きとおしたい。代表である程度、自信を持ててきているなかで唯一足りないのが結果なので、そこは追求し続けたいです。

岡崎慎司(レスター・シティ/イングランド)

1トップで先発した岡崎だったがゴールは奪えず 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】

「自分の役割の重要性を感じた」

 失点はちょっと残念でしたけれど、それ以外はうまくいったところもあったし、イラクも強かったので、結構タイトな試合展開になったなと。どっちに転んでもおかしくないような感じでしたけれど、FKがなければ自分たちが勝ちに持っていけるような試合だったと思います。

(1−0になってからの試合展開について)相手も前に来たので、そういう時には自分とかが裏を狙って前で起点を作った時に、そこで攻撃を終わらずに一度(パスを)回すのもありだと思います。守備でもボールを取られた後、1回プレスバックして低い位置でセットするのもありだと思うし。ただ、失点したところが一番のターニングポイントだったかなと思います。それまでは、このままいったら普通に1−0で勝てるだろうという戦い方ができていたと思うんですけれど、1−1になってからは攻めなければいけなくなったので、そこから難しい展開になったと思います。

(トップ下が香川ではなく清武だったことについて)キヨとも話ながらやったし、圭佑とも前回の反省を踏まえて、お互いが下がったり、前に出たりしてうまくいったところもあると思います。ふらふらっと1トップが下がっていったりすると、それにセンターバックがついてきたりするんですよ。それはとても感じましたね。そこからボランチに入った瞬間は自分が裏に抜けるスペースができたりとか、ボールを受けた時も、そこで体を張れた時はすごくチャンスになるので、自分がやる役割の重要性をすごく感じました。

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