大江戸線の駅がパラリンピック会場に? 東京大会の22競技をまとめて疑似体験

瀬長あすか
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提供:東京都オリンピック・パラリンピック準備局

大江戸線の駅で展示イベントを開催

東京都がパラリンピックの体験イベントを開催。オープニングセレモニーに小池百合子東京都知事(中央)らが駆けつけた 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】

 いよいよ現地時間9月7日に幕を開けるリオデジャネイロパラリンピック。12日間の熱戦が終われば、東京パラリンピックに向けたカウントダウンが始まる。次の開催地である東京では、9月21日(水)まで「NO LIMITS SPECIAL 大江戸ステーションスタジアム」が開催されている。

 今回の展示は、東京都主催のパラリンピック体験プログラムである「NO LIMITS CHALLENGE」の特別版。都営大江戸線内22駅を会場に、東京パラリンピックで実施する全22競技を一挙紹介。LEDパネルやプロジェクションマッピング、立体展示などを使い、競技や選手の迫力・躍動感を体感し、実際にスタジアム(競技会場)を訪れた時のワクワク感を疑似体験できるようになっている。

 東京パラリンピックまであと4年となった8月25日には、そのオープニングセレモニーが都庁前駅の地下1階コンコースで行われた。

 冒頭では、主催者である東京都の小池百合子知事が「東京は世界で初めて2回目のパラリンピックを行う都市。2020年の東京大会は、パラリンピックの成功なくして大会の成功はない」と力強くあいさつ。「リオパラリンピック観戦の相乗効果で、競技への関心を高めてもらいたい。競技の迫力と選手の躍動を体感してほしい」と来場を呼びかけた。

「全日、全競技場の満員化」に向けて

瀬立モニカ選手が出場するカヌーは、清澄白河駅で展示されている 【東京都オリンピック・パラリンピック準備局】

 この日は、リオパラリンピックのカヌー日本代表の瀬立モニカ選手、走り幅跳びで過去3大会パラリンピックに出場し、現在は義足のトライアスロン選手である谷(佐藤)真海選手も出席。小池都知事は「真海さんは、2020年大会を勝ち取った立役者。(招致活動でスピーチをした)あのシーンを私も印象深く覚えている」と感慨深げに話した。また、東京生まれの選手として4年後の活躍が期待される瀬立選手には「まずは、リオでの活躍を祈願している」と話し、エールを送った。

 セレモニーの最後には、展示のスタートを告げる点灯式があり、門前仲町駅や都庁前駅の総合展示会場などの液晶モニターで流れるオリジナルムービーが放映され、来場者から拍手が沸き起こった。

 実は、トライアスロンとカヌーは、リオパラリンピックから正式競技としてデビューする注目の競技。スイム、バイク、ランの3種目の合計で競うトライアスロンは都営大江戸線・新宿駅の構内で、カヌーは東京パラリンピックのカヌー会場となる江東区内にある清澄白河駅で展示が始まっている。

――あと4年ではなく、もう4年。自国開催のパラリンピックは着実に迫っているが、パラリンピック競技の認知度はまだまだ低い。

「ほとんどの人がパラ競技を知っていると答えているが、実際に見たことがある人は5パーセントに満たない。できるだけ認知度を向上させ、パラリンピックファンを増していくことが重要」と話したのは、公益財団法人日本障がい者スポーツ協会日本パラリンピック委員会の山脇康委員長。この課題解決に直結する催しである、「NO LIMITS CHALLENGE」に期待を寄せる。とりわけ、身近な地下鉄でパラリンピック競技に触れることができる今回のようなイベントは、関係者が目標として掲げる「全日、全競技場の満員化」に向けて有効な取り組みなのだ。

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著者プロフィール

1980年生まれ。制作会社で雑誌・広報紙などを手がけた後、フリーランスの編集者兼ライターに。2003年に見たブラインドサッカーに魅了され、04年アテネパラリンピックから本格的に障害者スポーツの取材を開始。10年のウィルチェアーラグビー世界選手権(カナダ)などを取材

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