大江戸線の駅がパラリンピック会場に? 東京大会の22競技をまとめて疑似体験

瀬長あすか
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提供:東京都オリンピック・パラリンピック準備局

工夫を凝らした各駅の展示

六本木駅では、二人乗りのタンデム自転車が立体的に展示されている 【東京都オリンピック・パラリンピック準備局】

 なかでも、視覚障がいのある選手がアイシェードと呼ばれる目隠しを着け、全盲状態でプレーする「ゴールボール」、重度脳性まひもしくは同程度の四肢重度機能障がいの選手によって壮絶な頭脳戦が展開される「ボッチャ」など、パラリンピック特有の競技は、競技名を聞いても想像しにくいだろう。

 そこで、「ゴールボール」を展示する月島駅では、選手のマネキンを使い、ゴールを守る3選手を表現。一目で競技のイメージが分かるようなインパクトある展示になっている。それぞれの競技に、見どころや競技説明も添えられているので、気になったらその場ですぐにチェックしてみることもできる。

 圧巻なのは、自転車が立体展示されている六本木駅だ。2020年のトラック会場である伊豆ベロドロームを思わせる、傾斜のある板張りのバンクを走る二人乗りのタンデム自転車を設置。視覚障がいのある選手が後ろに乗り、前に乗るパイロットが先導するタンデムは、ピタリと息のあったコンビネーションがカギを握る種目であり、まさにキャッチコピー「支えあうたびに強くなれる」の通りなのだ。なにより満員の観客を背景に走っている構図が気持ちよく、「2020年もこうでなくっちゃ!」と思わずにはいられない。

 新国立競技場を建設中の国立競技場駅には、東京大会から正式競技として採用されることが決定している2競技の装飾が施されている。新競技となるのは、テコンドーとバドミントン。特にテコンドーは、競技人口が極端に少ないため、この展示を見て、新たな選手が出てこないか、ちょっぴり期待してしまう。

リオで活躍が期待される選手たちも登場

リオで活躍が期待される選手たちも多数登場。車椅子バスケットボールの展示は大門駅 【東京都オリンピック・パラリンピック準備局】

 そして、各駅には、リオで活躍が期待される選手たちの壁面グラフィックも登場。陸上・走り幅跳びで世界選手権2連覇中! リオでは悲願の金メダル獲得を狙う山本篤選手(門前仲町)、車いすごとぶつかる激しいタックルが魅力のウィルチェアーラグビー日本代表からは、エースで世界屈指のスピードを誇る池崎大輔選手(代々木)、車いすテニスの女子世界ランキング2位で、リオでは日本代表選手団の旗手を務める上地結衣選手(青山一丁目)、パワーリフティングからは腕の力だけで190キロを持ち上げる日本最強の大堂秀樹選手(麻布十番)、ボッチャの日本チームをけん引するエース廣瀬隆喜選手(新御徒町)らさまざまなパラアスリートたちに出会うことができる。

 柔道は講道館のある春日駅。馬術は練「馬」駅が展示会場。花形競技の車椅子バスケットボールは、乗り換え利用の多い大門駅だ。柱にラッピングされたオールラウンダー香西宏昭選手、チームの大黒柱で日本代表選手団の主将でもある藤本怜央選手のシュート姿の脇を多くのビジネスマンが通行していた。リオ期間中も多くの人が、車椅子バスケットボールに触れるだろう。

都庁前駅は全22競技を総合展示

都庁前駅では全22競技を総合展示。各競技の特徴をまとめてチェックできる 【瀬長あすか】

 テレビでリオパラリンピックに出場する選手の活躍を見てから、競技の特徴を総ざらいしたいという人は、全22競技を総合的に展示する都庁前駅がオススメ。各駅のポスター上のQRコードを、スマホなどで読み取ると競技のスタンプがたまり、スタンプ数に応じて賞品がもらえるスタンプラリーも実施しており、一日乗車券で光が丘のアーチェリーから新宿西口の水泳まで回ってみるのも楽しそうだ。

 いよいよ、パラリンピック。東京へとつながるリオの夏は、まだまだ終わらない。己の限界に挑むアスリートたちをテレビで応援しつつ、大江戸ステーションスタジアムでパラリンピック競技の醍醐味(だいごみ)と選手たちの躍動を体感してみては。

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著者プロフィール

1980年生まれ。制作会社で雑誌・広報紙などを手がけた後、フリーランスの編集者兼ライターに。2003年に見たブラインドサッカーに魅了され、04年アテネパラリンピックから本格的に障害者スポーツの取材を開始。10年のウィルチェアーラグビー世界選手権(カナダ)などを取材

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