手ごたえのケンブリッジ 山縣は安堵 男子100予選レース後に見せた表情
桐生は予選敗退も「4年で変われる」
予選敗退となった桐生。「まだまだ」と力不足を強調した 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】
課題に関しても「1年間のトータルでの集大成がこの結果だから、まだまだ」と細部に触れることなく、ただ、力不足だけを主張した。6月の日本選手権でもケンブリッジ、山縣の後塵を拝していたが、勢いの差が五輪本番でも出た印象だ。まだ4×100メートルリレーが残っているが、初の五輪で個人レースを終え、悔しさを隠しながら「モスクワ(2013年の世界陸上)では太刀打ちできなかったけど、五輪を終えて、あとほんのちょっとのところで勝負しないといけないというところ。それを4年でどうするか。4年前には、五輪に出ることを目標にするなんて想像もしなかったけど、この五輪に出たことを踏まえて、次の東京五輪までの4年間で人はどれだけでも変われると思うから、変わって、次に行きたい」と話し、次回大会での巻き返しを誓った。
決勝へ進むには9秒台が必須条件
ガトリンが予選1位となる10秒01。決勝進出には9秒台が必須だ 【Getty Images】
しかし、今後に差を縮めていくためにも、まずは1932年ロサンゼルス五輪の吉岡隆徳以来84年ぶりとなる決勝進出を果たし、誰もが全力で走る最高峰で彼らの本当の力を体感したいところだ。ケンブリッジはガトリンと、山縣はボルトとそれぞれ同じ組となった。決勝進出は、おそらく9秒台突入が必然的に条件となる。ケンブリッジは「今の走りでは厳しいけど、手ごたえはある。うまく、ベストな走りをしたい」と言葉を残して、翌日の準決勝に目を向けた。
9秒台への周囲の期待という呪縛を乗り越え決勝進出の快挙へ。2人のスプリンターが新たな歴史作りに挑む。