ブロック向上もスパイカー生かせず 大山加奈が見た女子バレー・ロシア戦
ロシアにストレート負けした日本。この試合ではブロックが効果を発していた 【写真は共同】
日本が完敗した要因は何だったのか。勝利した方が決勝トーナメント進出を決めるアルゼンチンとの最終戦のポイントは?2004年のアテネ五輪に出場し、現在はバレーボール中継の解説などを務める大山加奈さんに語ってもらった。
守備ではもっと明確な約束事を
身長が高いだけでなく、手も長く、高い打点から打たれるロシアのフローターサーブはレシーブをする選手としては非常に軌道が読みにくい。日本人選手が同じように打つサーブならば後ろに伸びてくる、と思って後方に構えていると、スーッと前に落ちてしまう。何本か、ノータッチで前に落とされたサーブはまさにそんなサーブでした。
しかも当然ながら正面に打つのではなく、人と人の間や前後のスペースなど、取りにくい場所を狙ってくる中、日本はウイングスパイカーとリベロの間に狙われてサービスエースを取られるケースが多く見られます。どのチームもサーブで崩そうとしてくる中ではありますが、だからこそ人と人の間はリベロが取りにいく、といったように明確な約束事を決めた方がいいと思います。
特に木村(沙織)選手は自信が前衛、後衛時に限らず、サーブレシーブや、相手の攻撃を受ける1本目のレシーブを自ら取りにいってしまうケースが多く、バックアタックや攻撃参加が遅れてしまう場面が頻繁に見られます。ウイングスパイカーを万全な状態で攻撃に入らせるためにも、ここはリベロの佐藤(あり紗)選手にもっと積極的にいってほしい。次戦、さらには決勝トーナメントを戦うために、早急に改善すべき課題と言えるのではないでしょうか。