今夏の甲子園の主役は誰だ!? 寺島、藤平ら注目の8投手に迫る
寺島成輝(履正社高)
高校生ナンバーワンの呼び声高い履正社・寺島。初の甲子園でどのようなピッチングを見せるのか!? 【写真は共同】
「大学、社会人の選手を含めて全体でのドラフト1位候補ですね」
今年に入り、複数のスカウトからこんな言葉が聞かれるようになったのが寺島。自身が求め続けてきたのが、相手打者がわかっていても打たれない直球。大阪大会では5回戦の大体大浪商戦で3安打完封するなど、4試合でわずか1点しか取られなかった。振り返れば、春季大会では登板した全ての試合を無失点で終えており、今シーズン最も点を与えていない投手ということになる。
山口裕次郎(履正社高)
「寺島投手より山口投手の方が対戦したくない」
夏の大会前、取材した他校の監督の何人かから、こんな言葉を聞いた。打者にとってはタイミングが取りにくいのが特徴。昨年までは腰痛に悩まされてきたが、負担がかかりにくいフォームに変更して急成長。春季大会で大阪桐蔭を1失点完投するなど実績を積んできた。プロだけでなく、社会人野球関係者も熱視線を送る逸材だ。
高橋昂也(花咲徳栄高)
150キロを超える速球を武器にする花咲徳栄・高橋。埼玉大会は37回を投げて失点ゼロ 【写真は共同】
「夏の大会直前から急激に良くなってきた」
捕手の野本真康のコメントだ。春の選抜大会時からさらに逞しくなった下半身が高橋の充実を物語る。埼玉大会のハイライトとなった試合が4回戦の滑川総合戦。6回コールドゲームの参考記録ながら完全試合を達成し、9連続を含む14個の三振を奪った。準決勝の春日部共栄戦では最速152キロを計測したスピードガンもあり、手がつけられない投手の印象を全国に与えた。さらに際立つ数字が与四死球2。捕手の野本は、「コントロールで苦しむことはほとんどなくなった」と絶賛する。相手チームにとっては四死球での走者が期待できない以上、打って走者を出していくしかない。
堀瑞輝(広島新庄高)
2年連続夏の甲子園出場を果たした広島新庄・堀。三振の奪えるサウスポー 【写真は共同】
「先輩の田口麗斗(現巨人)の高校時代より上」と多くのスカウトが評価する。昨夏の甲子園2回戦で早稲田実に敗れた悔しさをバネに、一回りも二回りも逞しくなって甲子園に帰ってきた。広島大会では3回戦の呉高専戦で5回コールドの参考記録ながらノーヒットノーランを達成。4回戦の廿日市西戦では15三振を奪った。捕手の古本幸希も、「受けていて楽しい。将来、上(プロ)で勝負してほしい投手」と絶賛する。
山野太一(高川学園高)
初戦で履正社と対戦する167センチの小柄な左腕にも注目だ。山口大会では3回戦の下松戦、準決勝の長門戦でいずれもコールドゲームの参考記録ながらノーヒットノーランを達成した。高校入学時から身長が約10センチ伸び、体重もアップ。直球は最速145キロのスピード以上にキレを感じる。