リオで新たな記録に挑むリディア・コ レッドベターがほれ込み育てた逸材
リディア・コの素顔
世界NO.1の素顔は意外にも、少しシャイで控えめな印象 【Getty Images】
訪問の際にレッドベターアカデミーでリディア・コが練習をしている光景をよく目にする。
世界一のプレーヤーはさぞかし特別なのだろうと思われがちだが、ゴルフが飛びぬけて上手い以外はいたって普通の女の子だ。特段体格が優れているわけでもなく、性格も穏やかで、もしかすると路上ですれ違っても気付かないかもしれない。
若くしてワールドランク1位となり、そこで天狗になっても不思議はないが、気軽にファンのサインや写真に応じる彼女にそんな所はまったくない。何度か直接話をしたこともあるが、どちらかというと少しシャイで控えめな印象だ。これが世界1位の選手なのかと、その純朴さに驚かされる。
一流のコーチが認める「才能」
レッドベターが「アニカを越える」と予言した選手が、リオの地で歴史の1ページに名を刻むか!? 【Getty Images】
しかし、いざティーチングとなると人が変わる。生徒への要求は厳しいし、妥協は一切ない。
ゴルフレッスンでは大きく分けると2通りの指導法がある。「自分の理想に選手を近づけさせるパターン」と「選手の特徴に合わせて能力を伸ばしていくパターン」がある。レッドベターは完全に前者だ。
理想のスイングモデルがあるレッドベターには、理想にかなう才能として認められるのはほんの一握りの選手だ。
「リディアはアニカ・ソレンスタム(スウェーデン)を超える可能性がある」
来日レッスンイベントの昼食でリディア・コについて珍しく興奮しながら語っていたレッドベターが強く印象に残っている。
確かにリディア・コは2013年当時、14歳で世界主要ツアー史上最年少優勝記録するなど才能があることは間違いなかったが、メジャー10勝、LPGAツアー通算72勝、ベストスコア59という圧倒的な強さを誇っていたアニカ・ソレンスタムを超えるというのはさすがにどうかと半信半疑であった。
しかし、17歳9カ月9日で世界ランク1位となる最年少記録など、記録を次々と塗り替えているリディア・コがアニカ・ソレンスタムを超える可能性は十分ある。
レッドベターが歴史に残るプレーヤーと見抜き育て上げた逸材、リディア・コが挑む、リオ五輪。レッドベターの予言通りリディア・コによってブラジルの地でまた1つ、歴史の1ページが作られるかもしれない。