ロッテのドラ1ルーキー・平沢大河の今 「2軍でしっかり土台を作る」
ドラフト1位ルーキーとして2軍で奮闘する平沢 【写真提供:千葉ロッテマリーンズ】
7月8日、ロッテ浦和球場でおこなわれたチャレンジマッチの対フューチャーズ戦。5回の千葉ロッテの攻撃で、2015年のドラフト1位で入団した高卒ルーキーの平沢大河が打席に入った。外角球に対してフルスイングした。打球はあっという間にライナーでレフトポール際に飛び込むソロ本塁打となった。
左打者のレフト線への打球は、ファウルゾーンに向かって切れていくことが多い。しかし、このときの平沢の打球は一直線に飛んでいった。
試合後、平沢はこの一発を満足そうに振り返った。
「とらえ方が良かったですね。逆方向に切れない、いい打ち方だったと思います」
3本塁打で準Vに貢献した甲子園
8月20日、東海大相模高(神奈川)との決勝戦。6対6の同点で迎えた9回表、エースの佐藤世那(現オリックス)が先頭打者の9番・小笠原慎之介(現中日)にソロ本塁打を浴びる。それをきっかけにして、この回に4失点。10対6で敗れ、東北勢悲願の優勝をあと一歩のところで逃した。
平沢は、その試合を懐かしそうに語る。
「小笠原に打たれるとは、誰一人考えていなかったと思います。その小笠原に打たれてガタガタっといった感じ。みんなが冷静さを欠いていました。自分はあの本塁打で『負けたな』と思いました」
あれから、まだ1年も経っていない。だが、「もう5年くらい前の話に感じますね」と笑う。
「プロになって、2月にキャンプが始まってから、もう半年になるんですね。あっという間に過ぎていきました。これからもどんどん月日は経っていく。一日一日が大事ですね」
5月には1軍での初打席を経験
「打撃では打ち損じが多いですね。今はまず直球に振り負けないことを意識しながらやっています。守備はまだ勉強中。捕り方や足の運び方などを教わっているところです。手応えはまだないですが、5月に1軍で試合に出させてもらったのは貴重な経験でした」
5月11日。初めて1軍で出場選手登録されると、その日の福岡ソフトバンク戦で8回から遊撃の守備につき、プロ初出場を果たした。
翌日には、6回に代打としてプロ初打席を迎える。相手投手は、ソフトバンクの東浜巨。7球粘るも、最後は外角高めの直球を空振りし、三振した。
「当たる、当たらないではなく、とにかく振ることを意識していました。変化球に対して粘れたのは良かった。そのなかで甘い変化球もありましたが、それを打ち損じてしまった。一球で仕留められるようにしないといけないと感じました」