波乱万丈のドラフト1位候補遊撃手――中京学院大・吉川尚輝が初の全国の舞台へ
自身の野球人生初の全国大会に挑む中京学院大・吉川。高い身体能力を生かしたプレーで、同校OBの広島・菊池以上とも言われる野球センスの持ち主だ 【写真=高木遊】
広島・菊池以上と言われる野球センス
プロからの評価が高い安定した守備について、同期のエース柳川優太は「ショートに飛べば打球を見なくてもいいくらい」と笑う 【写真=高木遊】
「運動能力がすばらしい。とんでもない選手になる資質を持った選手」(中日・中田宗男スカウト部長)
そのようにプロ球団スカウト陣から絶賛される中京学院大の遊撃手・吉川尚輝。身体能力は同大学OBの広島・菊池涼介以上との声もある今秋のドラフト1位候補だ。
下級生時からその類稀な野球センスに注目が集まっていたが、大学最終年になるとさらに熱を増し、5月17日のリーグ戦には、なんと12球団47人のスカウトが集結した。
大きな武器は高い身体能力を生かした守備と走塁で、打撃は課題とされてきたが、今春の岐阜県学生リーグでは打率4割9分と打ちまくり、2年春以来となる自身2度目の首位打者を獲得した。
自身の決勝タイムリーもあり、中京学院大を初の全国大会出場に導いた。勝利の瞬間は「涙が出るくらいうれしかったです」と満面の笑みで答え 【写真=高木遊】
「自分が神宮に連れて行っていくんだというのがヒシヒシと伝わりましたね。技術はもちろん精神的にも強い選手になりました」と4年間指導してきた近藤正監督は、吉川の成長に目を細めた。