ルメール今度は「完ぺき」騎乗で名誉挽回 メジャーエンブレム究極の−6kgで速攻V
究極仕上げのマイナス6キロ
馬体重マイナス6キロの究極仕上げ、田村調教師(右から3人目)はチームの勝利であることを強調した 【スポーツナビ】
「意識的に絞ってきました。前回の桜花賞が502キロ。これは予定通りだったんですが、結果としてうまくいかなかった。だから、いい成績を残しているときの体重に戻そうと調整してきたんです。究極的に絞ってきました。ここは勝負どころで、負けられないレースでしたから」
厩舎スタッフをはじめ、生産牧場のノーザンファーム、ルメールも含めてみんなチームとしてやってきた、と指揮官。まして2400メートルのオークスではなく、これまで実績を残してきたマイル戦を選んだからには、もう言い訳は通用しない。1着が至上命題として課されていたのだ。そう考えると、メジャーエンブレム陣営にとってこのNHKマイルCは、オークスよりも難しい1戦だったとも言えるだろう。ルメール同様に、厩舎・牧場スタッフも満点の究極仕上げで、この難所を最高の形でクリアしてみせたのだ。
距離を延ばすか、マイル特化か
3歳トップクラスの実力を改めて証明したメジャーエンブレム、今後は距離を延ばすのかマイルに特化するのかにも注目が集まる 【スポーツナビ】
「去年のアスター賞を勝った後、来年のオークスが勝負だなと思っていたくらいなので、距離が延びても走れると僕は思っています。3歳牝馬なので常識的に考えれば秋華賞ということだと思いますが、そのあたりはゆっくり考えたいですね」
一方のルメールは「1800メートルでも勝っている馬なのでもう少し距離が長くても大丈夫とは思うけど、たぶんマイルがベストかな」と、トレーナーとはやや違った見解を述べている。ただ、2人が共通して思うことはこの後も2つ、3つとメジャーエンブレムとともにGIレースを勝っていきたい、いや、勝っていくつもりだということだ。
距離を延ばすのか、それともマイルに特化していくのか――いずれにせよ、強い先行馬が1頭いるだけで競馬は格段に面白くなる。父ダイワメジャーがそうであったように、その父譲りのスピード先行で競馬界をグングン引っ張ってほしいものだ。
(取材・文:森永淳洋/スポーツナビ)