【全日本プロレス】 三冠王者・宮原は真霜と壮絶ドロー 秋山がタイガーのキックにTKO負け

高木裕美

崔は那智の滝でゼウスを粉砕

崔はゼウスを那智の滝で粉砕 【前島康人】

 CC初優勝を目指すゼウスは崔領二と対戦。鉄柵を使った急所攻撃や場外マット上へのDDTなど、ラフな戦いを見せるゼウスに対し、崔もコーナーに上がったところを雪崩式ブレーンバスターで投げ捨てると、直後に那智の滝を炸裂。09年、14年の2度に渡りZERO1の「火祭り」を制覇している底力を見せ付けた。

 黒星スタートとなったゼウスは「悔しいな。しょっぱなから負けて。クソ!」と感情を爆発。「もっと分厚い胸板とぶっとい腕と強い足腰を作ったら勝てるな」と、さらにマッチョな肉体を作り上げると誓った。

 CC初参戦の野村直矢はボディガーから貴重な勝ち点2をゲット。ボディガーのパワーファイトに防戦一方となりながらも、スピアーから丸め込んで3カウントを奪取したことで、「とりあえず世界タッグチャンピオンから獲ったことはすごい大きいこと。明日、真霜。絶対あいつの首を討つ」と、さらなる大物食いを狙った。

青木は体格差実感 梶の挑戦は受諾

CCにも関わらず、青木への挑戦表明した梶トマト。青木もそれを承諾した 【前島康人】

 世界ジュニア王者の青木篤志は、若手成長株のジェイク・リーと対戦。欠場しているEvolutionの盟友・諏訪魔とジョー・ドーリングの思いを背負い、変形のヒザ固めで勝利をつかんだ。入場式でも他の選手との体格差を実感したという青木だが、「やることは一個だけ。勝ちを狙いに行く」と、狙うは優勝のみとキッパリ。また、リング上から世界ジュニア王座へ挑戦表明をしてきたK−DOJOの梶トマトに対しても、その勇気をたたえ、王座挑戦を受諾した。

井上雅央と西村修が記念試合で感謝

西村修と井上雅央の記念試合にカブキやドリーJr.らが参加 【前島康人】

 デビュー25周年を迎えた井上雅央&西村修が記念試合に出陣。井上はドリー・ファンク・Jr.、大森隆男、本田多聞と、西村は渕正信、ザ・グレート・カブキ、吉江豊とそれぞれタッグを結成した。

 西村が師匠のドリーとスピニングトーホールドの応酬を見せれば、井上も渕と「マサオワールド」を確立。さらに全日本のレジェンドであるドリー、カブキも白熱の攻防を繰り広げ、名脇役たちのアニバーサリーを盛り上げた。最後は井上が渕を首固めで丸め込み、3カウントを奪取。かつての古巣で節目を迎えた井上は「今日は感謝しかない」と、このような舞台を用意してくれた秋山社長やかつての仲間たちに頭を下げた。

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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