ハミルトンが余裕の表情を見せる理由 ロズベルグに連勝許すも「まだ2勝だけ」

F1速報

ダメージを最小限に抑えて3位フィニッシュ

2015年シーズン終盤から好調を維持しているニコ・ロズベルグ 【XPB Images】

 しかしミディアムを履いて1回少ないタイヤ交換で走り切ろうとした多くのドライバーがそうであったように、この日のコンディションで、それは正解とは言えなかった。ペースの遅さとデグラデーションの大きさだけではなく、前後バランスの変化が他コンパウンドとは大きく異なっていたこともあった。

「ハミルトンのラップタイムは1分39秒1、タイム差は2.4秒だ」

 レース序盤はハミルトンを意識していたライコネンも、中盤以降は首位ロズベルグとの戦いに移っていき、ハミルトンは3位で、ひとり旅を強いられた。

「素晴らしい努力だった。素晴らしいリカバリーを果たし、ダメージを最小限に留めたよ」

 3位でチェッカーフラッグを受けたハミルトンを、レースエンジニアのピーター・ボニントンがねぎらった。ダメージを最小限にしたと考えれば十分な結果だった。

 しかし選手権を争うライバルに2連勝を許しても、ハミルトンの表情に余裕がうかがえたのは、別の理由があった。

チームの状況には手応え

「誰だって負けるのはイヤだ。だけど今日の僕らには勝てるだけの速さがあった。チームは冬の間に素晴らしい仕事をしてくれた。それが僕にはわかっている。ジャングルの中で、さまよっているような状況じゃないんだ」

 予選でQ3の最後に逆転ポールポジションを決めた瞬間、ハミルトンは無線で雄叫びを上げた。

「フゥー! ハハハ! 最高のラップを決めてやった! なんてセクシーなラップだ!」

 ロズベルグに昨年から続く5連勝を許したものの、昨年の終盤戦マシンフィーリングに苦しんでいたことは、とっくに解決できている。

「5連勝だとは思ってない、2連勝だ。今年に入ってからの2勝だけだ」

 そうハミルトンが言い切るのは、決して負け惜しみなどではない。

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