【シュートボクシング】宍戸大樹、引退試合に敗れるもファンに感謝
引退試合に敗れた宍戸大樹だったが、完全燃焼でファンに感謝 【中原義史】
メインイベントはキャリア18年、長くシュートボクシングのエースを務めてきた宍戸大樹の引退試合。昨年9月、東洋太平洋ウェルター級王座の防衛戦で延長判定で退けたジャオウェハー・シーリーラックジムと、5R・ヒジありルールでの再戦に臨んだ。
宍戸戦の敗戦後、ジムを移籍したジャオウェハーは3連勝。得意のヒジを振るってムエタイの国際大会「MAXムエタイ」でスーパーライト級王者に輝いており、持つ武器を全開にして宍戸にリベンジを挑んだ。
試合開始前から会場は大「宍戸」コール
大「宍戸」コールを受け好調な出足の宍戸だったが 【中原義史】
1R、宍戸は大きく左回りして左ミドル、右ロー、前蹴り、横蹴りと持ち味である蹴りをどんどん繰り出していく。そしてジャオウェハーの意識が散らすと、左ジャブも突き刺す。バックブローも放ち好調な出足の宍戸だったが、ジャオウェハーは攻撃をディフェンス、あるいは食らいながらも前に出て、右・左とヒジを強打。腕を伸ばしてこのヒジを防御する宍戸だが、ヒジと腕が激しくぶつかり、リングサイドには鈍い音が響く。
2R、宍戸は左手でのバックブローの後、今度は右足でのバックスピンキックと左右両方向からの回転技を見せ(バックスピンキックはボディと顔面に蹴り分け)、縦ヒジを繰り出すと、これで先にジャオウェハーをカットする。
【中原義史】
大流血に追い込まれるも最後まで戦う姿勢は失わず 【中原義史】
シーザー会長「19年間彼を教えてよかった」
師匠のシーザー武志会長は「19年間彼を教えてよかったなと思います」と労いの言葉 【中原義史】
宍戸はジムで指導する子どもたち、3人の愛娘たちと記念撮影を行い、師であるシーザー武志会長からは「男の引き際はこういう風に散るんだなと思いました。去る時の美しさ。負けたかもしれませんが、最後まで戦い抜いた勇気を見て、19年間彼を教えてよかったなと思います。彼はこれからも頑張りますので、ぜひ応援してやってください」と言葉を贈られる。
悔しさ寂しさ、それ以上の喜びも全てSBで学んだ
大勢のファン、仲間が見守る中、10カウント聞きリングを後に 【中原義史】
そしてアマチュアから19年、82戦58勝(24KO)24敗となったプロでの戦いを終えると、真っすぐ前を見て10カウントを聞き、リングを後にした。
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