東北から世界一のボールパークを――Koboスタ宮城・川田球場長の想い

週刊ベースボールONLINE

特別な思いで見た3.25東北開幕

新スタジアムに広がった観客の笑顔。それを目にした川田球場長の感激もひとしおだった 【写真=高塩 隆】

 やるからには、世界一のボールパークを完成させたい。スタジアム運営に関わる球団職員、そしてグラウンドキーパーの共通の思いだろう。いまだ発展途上。日本初を生み出し続け、世界に誇れる“唯一無二”を目指していく。

川田 球場長としての主な職務内容は、球場改修に関わる立案、そして施工から完成まではわれわれの管轄です。そして、ここまで大きな球場になりましたから、安心、安全に運用するためのメンテナンスは重要になります。電気、水道、ガスのほかすべてです。そして、試合の運営に関しても私の責任になりますから、警備やサービス面も、もちろん関わってきます。

 3月25日の開幕日は、特別な思いがありました。試合にも勝つことができて(福岡ソフトバンクを相手に7対3で勝利)。あの新しいグラウンドでチームに勝ってもらい、お客さまが喜ぶ姿を見てうれしく思いました。

 昨年11月23日にファン感謝祭が行われ、翌日から人工芝を撤去して。砂利を敷いて、砂を敷いて、1月上旬にはカーペットのように丸まった芝を敷いて。それから約2カ月間、養生しました。こうなるとわが子みたいなもの(笑)。毎日水をまいて、肥料を与えて……。すべては開幕戦のためでしたから。

 グラウンドを使ってくれる選手、監督、コーチ、それを見に来てくださるお客さまのために働いているわけで、その方々の笑顔を見ることが私の喜びです。そのためにはどこにも負けないボールパークを作りたいという思いが強いです。

 東北のランドマークとして世界に誇れるボールパークを目指しています。今回の天然芝化は大きな一歩となりましたが、これがこのスタジアムの完成形だとは思っていません。すでに動き出しているプロジェクトもあります。夢に終わりはない――。そういった思いを持ち続けながら、これからもより良いボールパークを追求していきたいです。

取材・文=富田庸(BBM)

プロフィール

川田喜則(かわだ・よしのり) 1973年12月5日生まれ。栃木県出身。日大理工学部を卒業後、建設会社に入社、会計事務所勤務を経て、2006年5月に楽天グループ入社、経理を担当。08年7月に楽天野球団へ異動し、12年に球場長。事業部長を経て16年に球場長復帰

■川田さん開幕日のスケジュール
8時:出勤
9時:朝礼、各所点検
12時:ホームチーム練習
    グラウンド状態確認
13時:軽めの昼食
16時:試合開始
    3、5、7回にグラウンドメンテナンスを確認
19時09分:試合終了
19時30分:各所点検
22時:帰宅

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