東北から世界一のボールパークを――Koboスタ宮城・川田球場長の想い
この仕事の魅力とやりがいについて「プロ野球では12人しかなれないポジション。野球専用スタジアムを、自分たちの裁量で動かせることが喜びです」と語るKoboスタジアム宮城の川田球場長 【写真=高塩 隆】
球団創設以来あったボールパーク構想
川田 私が楽天グループに入ったのが2006年5月のこと。当時は経理、財務の担当をしておりました。そして08年7月に楽天野球団へ異動します。野球に“どストライク”の人よりも、他ジャンルに精通している人のほうが新しいものを生み出せる。会社はそう考えたようです。
球場長になったのは12年の1月です。04年11月の球団創設以来、ずっと同じ方がやられていましたので、私が2代目ということになります。15年には一度離れ、事業部長として観客動員に関する仕事を任されました。結果的にはこの経験が大きかったですね。そして天然芝と公園(スマイルグリコパーク)の導入が決まり、現職に戻ったわけです。
そもそも、『ボールパーク構想』は球団創設時からあり、長期計画で行われてきました。そして今回の総工費30億円の計画が正式決定したのは15年の9月。毎年マイナーチェンジを繰り返していく中で、今回は大規模な改修となりました。
コミュニティ化したアメリカの球場
そして芝生のグラデーションが最も美しいと言われるPNCパーク(パイレーツの本拠地)。スタンドの後ろに川が流れ、そこに巨大な橋がかけられている。バックネット裏から見ると、その先に摩天楼があるんです。球場から見えるような夜景ではない。都市デザインを含めて球場を造っているんです。そこに少しでも近づければいいですね。
球場内に公園があるのは宮城だけ
あと、球場内に公園があるのは、国内でウチだけではないでしょうか。さまざまなアトラクションがあり、座席も変わり、その中で野球を見ることができるというのが見どころではないかと思います。また5月には大観覧車が完成します。照明灯よりも高いですから、そこからどのように野球を見ることができるのか。もう、楽しみでしかないですね。