飯伏幸太、２団体退団の本音「Ｇ１で出し切り、ゼロになった」＜前編＞
ＤＤＴ両国で息切れ 後楽園の時に爆発
――そういう疲れ、ダメージが徐々に表に出始めたのが、昨年９月あたりですかね。ＤＤＴの広島大会を欠場しましたが、その後も体調不良でいくつかの大会を欠場するようになっていました。
飯伏 あの頃はＧ１（クライマックス＝新日本プロレス）辺りで結構キテましたね。
――２０１４年のＧ１は試合中の脳しんとうにより直前で全戦欠場。２０１５年は満を持してＧ１フル参戦となりましたが、やはり過酷でしたか？
飯伏 本当に過酷でした。その分、達成感はありましたね。達成感と……、何て言うんですかね。イッテンヨンの後もそうなんですけど、結構出し切って「あぁ、やっとクリアした」って感じなのに、そのあとに「もう１回１面から」って。「いやいや、もう、ちょっと（無理）」みたいな状態です！
２０１５年はＧ１が終わった１週間後に（ＤＤＴの）両国があったので、そこまでは集中力が切れなかったんです。いや、切らさなかったんですけど、そこぐらいで１回途切れましたね。
――ガソリン切れみたいな感じ？
飯伏 そうです！ ゼロになっちゃったんで、両国が終わってからのことはほとんど覚えてない状態です。
――しかし、１０月にはＤＤＴの総選挙の結果発表があって、飯伏選手は２位。昨年２位の選手は１０．２５後楽園ホール大会で当時坂口征夫選手が保持していたＫＯ−Ｄ無差別級王座に挑戦できることになっていました。一度はガソリン切れになったとはいえ、もう一度エンジンをかけるキッカケにはならなかったですか？
飯伏 選挙で票を入れてもらうのが申し訳ない感じでしたね……。あれってチケットとかグッズを買うと投票できるシステムじゃないですか？ だから選挙が始まる前から、自分がパーフェクトなパフォーマンスを８月の両国以降出せていなかったんで、何か申し訳ないなっていう気持ちがどこかにありました。ただ何でも１位になりたいっていうのが生まれつきあるんで、２位っていうのは悔しかったです。
――負けず嫌いですね（笑）。そして１０．２５後楽園大会当日の朝、メインイベントでタイトルに挑戦するはずでしたが高熱により緊急欠場となりました。総選挙２位という期待を背負ってのタイトル挑戦というプレッシャーもあって、ついに限界が来た感じですか？
飯伏 これはもう限界です！ プレッシャーとかそんな感じじゃない、そんな問題じゃないくらいのダメージを負ってましたね。９月頃から「いつどうなるか分からないよ」って感じなのが出てきてて（苦笑）、たまたまあの日になっただけです。
――いつ爆破してもおかしくなかった時限爆弾が、ついに爆発してしまった？
飯伏 はい。それが８月の両国だったかもしれないし、もし１０月２５日をクリアしたとしても、次のタイトルマッチの時には爆発していたかもしれない。本当にたまたま爆発したのが１０月２５日、後楽園ホール、メインイベント、タイトルマッチだったということです。
飯伏 あの頃はＧ１（クライマックス＝新日本プロレス）辺りで結構キテましたね。
――２０１４年のＧ１は試合中の脳しんとうにより直前で全戦欠場。２０１５年は満を持してＧ１フル参戦となりましたが、やはり過酷でしたか？
飯伏 本当に過酷でした。その分、達成感はありましたね。達成感と……、何て言うんですかね。イッテンヨンの後もそうなんですけど、結構出し切って「あぁ、やっとクリアした」って感じなのに、そのあとに「もう１回１面から」って。「いやいや、もう、ちょっと（無理）」みたいな状態です！
２０１５年はＧ１が終わった１週間後に（ＤＤＴの）両国があったので、そこまでは集中力が切れなかったんです。いや、切らさなかったんですけど、そこぐらいで１回途切れましたね。
――ガソリン切れみたいな感じ？
飯伏 そうです！ ゼロになっちゃったんで、両国が終わってからのことはほとんど覚えてない状態です。
――しかし、１０月にはＤＤＴの総選挙の結果発表があって、飯伏選手は２位。昨年２位の選手は１０．２５後楽園ホール大会で当時坂口征夫選手が保持していたＫＯ−Ｄ無差別級王座に挑戦できることになっていました。一度はガソリン切れになったとはいえ、もう一度エンジンをかけるキッカケにはならなかったですか？
飯伏 選挙で票を入れてもらうのが申し訳ない感じでしたね……。あれってチケットとかグッズを買うと投票できるシステムじゃないですか？ だから選挙が始まる前から、自分がパーフェクトなパフォーマンスを８月の両国以降出せていなかったんで、何か申し訳ないなっていう気持ちがどこかにありました。ただ何でも１位になりたいっていうのが生まれつきあるんで、２位っていうのは悔しかったです。
――負けず嫌いですね（笑）。そして１０．２５後楽園大会当日の朝、メインイベントでタイトルに挑戦するはずでしたが高熱により緊急欠場となりました。総選挙２位という期待を背負ってのタイトル挑戦というプレッシャーもあって、ついに限界が来た感じですか？
飯伏 これはもう限界です！ プレッシャーとかそんな感じじゃない、そんな問題じゃないくらいのダメージを負ってましたね。９月頃から「いつどうなるか分からないよ」って感じなのが出てきてて（苦笑）、たまたまあの日になっただけです。
――いつ爆破してもおかしくなかった時限爆弾が、ついに爆発してしまった？
飯伏 はい。それが８月の両国だったかもしれないし、もし１０月２５日をクリアしたとしても、次のタイトルマッチの時には爆発していたかもしれない。本当にたまたま爆発したのが１０月２５日、後楽園ホール、メインイベント、タイトルマッチだったということです。
欠場中は“無”だった
――肉体的なダメージもありましたか？ あの頃は珍しく手首や指にテーピングするようになってましたよね。
飯伏 あれは肉体的に疲れていたからと言うよりも、モチベーションだと思いますね。精神的に疲れていて、モチベーションが上がらないままいきなり試合に突入してケガするってことが多かったですね。総選挙（結果発表＝１０月７日、後楽園ホール）の時、試合があったじゃですか？ あの日、左薬指を脱臼しているんですよ。
――えっ！？
飯伏 誰にも言えなかったですけど（苦笑）。何人かを重ねてムーンサルトをやったんですけど、失敗したんです。
――４ＷＡＹ６人タッグマッチで次々に選手を重ねていって、その上から飯伏選手がその場飛びムーンサルトを投下する場面ですね。確かに頭がぶつかって１回失敗しました。
飯伏 失敗とか絶対にしないんですけど、本当に失敗したんですよ。あの辺で「コンディションがおかしいな」って分かって。感覚が明らかに鈍っていたんですけど、Ｇ１まではやれていたわけじゃないですか。そんな１カ月くらいで劣化するわけがない。確実に今まで蓄積してきたダメージがあって、それが試合にも影響を与えるようになっていた感じですかね。
――その後しばらく欠場していましたが、頸椎椎間板ヘルニアによるドクターストップということで、１１月２日にしばらく欠場することが発表されました。この首も蓄積されたダメージからですか？
飯伏 それが一番だとは思うんですけど、もしかしら神経的な部分もあるんじゃないかとも思いますね。でも奇跡的に治るはずのないヘルニアが治ったんですよ！ この短期間で治ったんです！ ４カ月で治ったんです！
――やはり飯伏幸太は超人ですね（笑）。実際、医師から試合をしても良いという許可はもらったんですよね？
飯伏 はい。でも、欠場を発表してからしばらくしたらいろいろなところが痛くなったんです。足首、手首、指、腰、肘……「ああ、ここも痛かったんだ」っていうのがいっぱいあって。そういえば試合やっている時も、今思えば手をついた時に手首が痛かったなとか思い出すんです。でもその時はこれくらいの痛みじゃ試合をしないわけにはいかないって思ってて。
――敢えて痛みに鈍感になろうとしていたんですね。
飯伏 精神面を維持するために自然と隠していたみたいですね。その中でも腰が一番で、今でもちょっと痛みが残っていますね。
――腰椎すべり症と診断された腰ですね。でもあちこちケガしてることが分かって、いつ復帰できるか分からない状態で欠場ってなったとき、不安になったりしなかったですか？
飯伏 それがまったくなかったですね。最初の１カ月は“無”でした。もう何もしなかったです。
＜後編へ続く＞
飯伏 あれは肉体的に疲れていたからと言うよりも、モチベーションだと思いますね。精神的に疲れていて、モチベーションが上がらないままいきなり試合に突入してケガするってことが多かったですね。総選挙（結果発表＝１０月７日、後楽園ホール）の時、試合があったじゃですか？ あの日、左薬指を脱臼しているんですよ。
――えっ！？
飯伏 誰にも言えなかったですけど（苦笑）。何人かを重ねてムーンサルトをやったんですけど、失敗したんです。
――４ＷＡＹ６人タッグマッチで次々に選手を重ねていって、その上から飯伏選手がその場飛びムーンサルトを投下する場面ですね。確かに頭がぶつかって１回失敗しました。
飯伏 失敗とか絶対にしないんですけど、本当に失敗したんですよ。あの辺で「コンディションがおかしいな」って分かって。感覚が明らかに鈍っていたんですけど、Ｇ１まではやれていたわけじゃないですか。そんな１カ月くらいで劣化するわけがない。確実に今まで蓄積してきたダメージがあって、それが試合にも影響を与えるようになっていた感じですかね。
――その後しばらく欠場していましたが、頸椎椎間板ヘルニアによるドクターストップということで、１１月２日にしばらく欠場することが発表されました。この首も蓄積されたダメージからですか？
飯伏 それが一番だとは思うんですけど、もしかしら神経的な部分もあるんじゃないかとも思いますね。でも奇跡的に治るはずのないヘルニアが治ったんですよ！ この短期間で治ったんです！ ４カ月で治ったんです！
――やはり飯伏幸太は超人ですね（笑）。実際、医師から試合をしても良いという許可はもらったんですよね？
飯伏 はい。でも、欠場を発表してからしばらくしたらいろいろなところが痛くなったんです。足首、手首、指、腰、肘……「ああ、ここも痛かったんだ」っていうのがいっぱいあって。そういえば試合やっている時も、今思えば手をついた時に手首が痛かったなとか思い出すんです。でもその時はこれくらいの痛みじゃ試合をしないわけにはいかないって思ってて。
――敢えて痛みに鈍感になろうとしていたんですね。
飯伏 精神面を維持するために自然と隠していたみたいですね。その中でも腰が一番で、今でもちょっと痛みが残っていますね。
――腰椎すべり症と診断された腰ですね。でもあちこちケガしてることが分かって、いつ復帰できるか分からない状態で欠場ってなったとき、不安になったりしなかったですか？
飯伏 それがまったくなかったですね。最初の１カ月は“無”でした。もう何もしなかったです。
＜後編へ続く＞