世界のUFCファンへ“夜叉坊”お披露目 石原夜叉坊インタビュー
スーパーイベントでUFC正式契約第1戦
UFCとの正式契約から5カ月、ラスベガスでのメガマッチで第1戦に臨む石原夜叉坊 【(C)Photo Courtesy of UFC】
メインイベントに時代の寵児コナー・マクレガーが登場し、あの“女王”ロンダ・ラウジーを破ったホーリー・ホルムが女子バンタム級初防衛戦を行う、このスーパーイベントで夜叉坊は、ジュリアン・エロサ相手にどんな“モテる”闘いを見せるのか? 試合への意気込みを聞いた。
エロサってダサいでしょ? あんなのに負けられへん
Road to UFC:Japan決勝戦では廣田と引き分けたもののUFCとの正式契約を獲得 【花田裕次郎】
決まったっすね。日本大会以来、だいぶダラダラしましたけど(笑)。
――だいぶ遊んで、「そろそろ、試合しなきゃまずいな」って感じですか?
そうっすね。前のファイトマネーをホンマ使い果たしちゃって、そろそろ試合しないといけない状態なんで(笑)。
――でも、そろそろ闘いたい欲求も出てきたんじゃないですか?
いや、それはないです。闘いたい欲求はないんですけど、闘いから離れすぎて、フェロモンが出なくなってきてるんすよ。このままじゃモテないんで、またフェロモンをバンバン出すためにも、試合しなきゃいけないなって。だから、いいタイミングで試合が決まりましたね。
――試合のオファーはけっこう急だったんですよね?
急でしたね。21日前ぐらい。でも、断る理由はないっすよ。マクレガー出るし、ミーシャ・テイトですし、なんつっても会場がMGM!
――2016年上半期最大のビッグマッチですよね。
そこにオファーが来るって、持ってるっすね〜!(笑)。UFCもわかってる、夜叉坊の使い方を。
――やっぱり、ナンバーシリーズのビッグマッチと他の大会では、同じUFCでもテンションが違ってきますか?
僕、どれがナンバーシリーズなのか、まったくわかってないんすけど(笑)。でも、ラスベガスでマクレガー出るってことで、すごい大会なんやろなっていうはわかります。そういうところに出れたら、やっぱテンション上がりますよ。「俺の大会や!」って思うし。
――客席から観ていた会場が、今度は自分が出るわけですからね。
あの盛り上がりはヤバイ。あそこに自分が上がってるイメージはもうできてますから。あの会場でやったら全然イケますね。
――試合に向けた身体の仕上がりは?
やばいっす。ホンマ、ここ数カ月全然練習してなかったんで。気持ちでぶつかっていきます(笑)。ホンマ、勢いでいきますよ。2ラウンド保つと思ってないんで。こんなこと言ったらダメなんですよ。ダメなんすけど、ホンマに思ってることなんで。1ラウンドで仕留めるしかない。
――でも、昨年9月の廣田瑞人戦でも、開始早々から全力で行くことが功を奏した部分がありますしね。
あれとはまた別の感じなんすけどね。あんときは、「全部出し切らな、勝たれへん」と思ってのことだったんすけど。今回は単純に1ラウンドしか保たないという違う状況(笑)。だから、1ラウンドに出せるだけ出して。もし、それをしのがれちゃった場合は、あとは僕の失速を楽しんでいただけたらなと(笑)。
――ダメじゃないですか(笑)。逆に言えば、その1ラウンドには自信あるってことですよね?
ありますね。だいたい、相手(ジュリアン・エロサ)イケてないでしょ? 見た目からしてダサいんで。あんなのには負けられへん。どうせやられるなら、バリバリイケてるような、ラッパーの黒人にやられたいっすもん。でも、あれは子供の頃からいじめられっ子っつーか、過去きっと暗いはずですよ。僕の友だちにいないタイプなんで。
――男として、オスとしての生命力が違うと?
そうっすね。育ちの差が出ると思います。どうしたら、あんな育ち方するんすかね? デカすぎでしょ。
――フェザー級でありながら、身長185cmとかなりの長身ですよね。
僕とは15cm差ぐらいっすよね。
――そして、リーチも15cm差あるようです。
ま、射程圏内です(笑)。
――そういう、身長もリーチもだいぶ自分より上の人とはやったことないですよね?
ウルヤン(佐々木憂流迦)以来っすね。ウルヤンでかかったんで。
――でも、185cmというと、佐々木憂流_迦選手(身長178cm)よりさらにデカいですよ。
でも、僕のことは捕まえられないでしょ? 大丈夫っすよ。
――ジュリアン・エロサの試合映像はご覧になられました?
試合はハイライトだけ。1試合まるまるは観てないです。チームメイトの(中村)優作さんが観てくれてて、「あれ、倒せるで」って言ってくれてるんで、倒せると思います。
――スピードが違う?
そうっすね。たぶん反応できないんじゃないっすかね。気づいたら倒れてるっていう展開になると思うんですよ。それに失敗したら、失速を楽しんでください(笑)。
マクレガーを観に来た人たちに名前を憶えもらいます!
メインイベントのマクレガーを観に来た人たちに「夜叉坊」の名前を憶えてもらうことができるか 【(C)Photo Courtesy of UFC】
全然バンタムまで落ちるんですけどね。ただ、試合まで時間もなかったし、減量に苦しんで動けない元気のない自分を見せるより、相手がデカくても、元気な動ける自分を出したほうがいいんで。向こうはめっちゃ減量してくると思うんですけど、そこの差が出ると思います。ま、でも相手がどうのこうのじゃないんで。場所とか、流れのすべてが僕にきてるんで、負ける要素はないですね。
――場を支配すると。
会場を味方にしてる感じがあるんで。イケると思いますよ。
――会場の雰囲気が自分の力になるわけですか?
そうっすね。思い込み激しいタイプなんで。みんなが僕のことを推してると勝手に思っちゃうんで。いい性格してます(笑)。
――おそらく「UFC196」は、この注目度からすると。前日計量とかも、ものすごく人が集まると思うんですよ。
のりぴー(田中路教)が出たとき(「UFC195」)、計量が異常に盛り上がっててびっくりしたんすけど、間違いなくあんとき以上ですもんね。早く相手と向き合いたいですね。食ってやります。
――身体の調子的には……?
コンディションはあんま言わんといてください。過去最低です(笑)。練習してなかったんで、試合までの調整がいま地獄っすね。でも、流れは全部自分に来てると思ってるんで。今年に入ってからチームメイトふたりが、苦しい判定勝ちで二つ取ってるんで、今度は僕の番だと思ってるし。
――1月に「UFC195」で田中路教選手がジョー・ソトに勝って、2月に中村優作選手が「WSOF−GC JAPAN」で勝利してますけど、どちらも劣勢を強いられる苦しい展開の中、気持ちで勝ち抜いた感じでしたよね?
あの気持ちで闘う感じは、すげー勉強になったんすよ。とくに中村優作の試合は、あんなパンチをもらうのも見たことなかったし、あんなにがむしゃらに闘うところも観たことなかったんで。それでも勝ちたいから、ああいう気持ちを出して勝ちきったんで、響きましたね。ただ、二人はスプリットの判定でしたけど、僕はKOで勝って、格闘技の魅力を教えてやります(笑)。
――でも、去年の「ROAD TO UFC:JAPAN」では、思いっきりギリギリの判定で勝ち上がってきてたじゃないですか(笑)。
そうなんすけどね(笑)。あの微妙な判定で勝つって流れを作ったのは僕なんですけど、今度はその流れをまた変えて、ぶっ倒してやります。今回は世界のUFCファン、MMAファンに対する“夜叉坊”お披露目会ですからね。マクレガー観に来た人たちに「夜叉坊」の名前を憶えて帰ってもらいます。
――「UFC196」では、オープニングファイトに登場なんですよね?
いや、全然わからないんですけど、オープニングなんすかね。でも、僕が最初に出てきたら、後のやつら大丈夫っすか? 僕が全部持っていっちゃうんで。
――完全に持っていっちゃってください。現地では第1試合でも、WOWOWの放送では、マクレガーの試合のあとに放送される予定なんで。日本ではある意味、メインイベントですから(笑)。
完全にメインイベントっすね(笑)。ミーシャ・テイト、マクレガーと来て、最後に夜叉坊。最高っすね!
――ご自身以外の試合についてはどうですか? マクレガーvsネート・ディアスがメインですけど。
あ、ネート・ディアスになったんすか? ディアス兄弟の弟ですよね? あのヤンチャな。僕、好きっすよ。育ちが出てる(笑)。
――共感する部分もありますか?
ありますね。友だちになれると思います(笑)。マクレガーとかネートとか出て、流れは完全にこっちよりですね。申し訳ないですけど、持っていきますよ。
――エロサ戦ではどんな試合をみせたいですか?
もちろんモテる試合を。“夜叉たん”のお披露目会だと思ってるんで。全試合終わったあと、マクレガーvs.ネート・ディアスがヤバいなってなるのは間違いないと思うんですけど、会場の誰かが「イシハラってヤバかったな」「あの日本人はヤバかったな」と言ってくれるような試合をしたいですね。石原夜叉坊を向こうのファンに植え付けてきます。
――では、モテる試合期待してます!
まかしといてください。そのつもりしかないっすから。試合後のインタビューでは、「このあとの祝勝会、女の子みんな集合!」って、言うつもりなんで(笑)。楽しんできます!
(取材・文:堀江ガンツ/WOWOW UFC解説者)
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★「生中継!UFC−究極格闘技− UFC196 in ラスベガス コナー・マクレガーvs.ネート・ディアス」
ライト級王者ドス・アンジョスが負傷欠場。フェザー級王者マクレガーはウェルター級でネート・ディアスと対戦!セミはロンダを衝撃KOしたホルムがミーシャに初防衛戦。
【放送日】3月6日(日)午後0:00〜[WOWOWプライム]※生中継
ゲスト:玉袋筋太郎(浅草キッド)
[主な対戦カード]
<ウェルター級>
コナー・マクレガー
ネート・ディアス
<女子バンタム級タイトルマッチ>
ホーリー・ホルム
ミーシャ・テイト
<フェザー級>
ジュリアン・エロサ
石原夜叉坊
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