選手名鑑ツッコミどころ大賞〜前編〜 カネシゲタカシの『ぷぷぷぷプロ野球』
プロ野球選手名鑑が店頭に並ぶ季節になりました 【カネシゲタカシ】
書店やコンビニに「プロ野球選手名鑑」が並ぶ季節となりました。そんななか、雑誌という機動力を生かして毎年最速で発行されるのが“週ベ”こと週刊ベースボール増刊の『プロ野球 12球団写真名鑑号』。もちろん僕も買いました。
そこで今回はこの『プロ野球 12球団写真名鑑号』(以下『写真名鑑号』)を使って「選手名鑑ツッコミどころ大賞2016」を勝手に開催。思わずツッコミを入れたくなる12球団各選手のあれやこれやを勝手に紹介し、勝手に表彰したいと思います。
「思い出のシーン」に注目すると…
基本的には「甲子園に出たこと」などポジティブな思い出を挙げる選手が多いのですが、「打たれたこと」「大敗したこと」といったネガティブな思い出を挙げる選手も案外多いです。
しかしネガティブさの中にコミカルさが光るのが、静岡・伊東商から熊本ゴールデンラークスを経て入団したドラ3ルーキー、阪神・竹安大知の思い出。
「高校野球最後の夏がトリプルプレーで終了したこと」
この“終了したこと”というドライな言い方になんとも言えない味があります。「ゲームセット」のかわりに「はい、終了〜」という司会者の声が聞こえてきそうです。
「10年8月の大院大戦で完投勝利、当日結婚式を挙げた先輩にウイニングボールをプレゼントしたこと」
うーん、カッコいい! 「お幸せに」とウイニングボールを贈り、それを一番の思い出に挙げるサブちゃん、絶対良い人です。彼が楽天のムードメーカーなのも納得。やってることのカッコ良さは“あっちの福山”にも負けません。ちょっと見た目が北島三郎なだけ……
しかし、そんなサブちゃんの上を行くドラマチックな選手がいました。“ポスト鳥谷”の呼び声高い阪神・北條史也です。
「高校1年生の冬、強化練習で疲れ果て同級生たちと雪の上に倒れこんで見上げた青森の夜空と『頑張ろう』と励ましあったこと」
もはや青春ドラマのワンシーン。故郷の大阪を離れ、青森の光星学院で甲子園を目指していた北條少年。さぞたくさんの星がまたたき、彼とチームメイトたちの未来を燦然(さんぜん)と照らしていたことでしょう。
今年の北條は初の1軍キャンプ抜擢(ばってき)。きっと沖縄の星空を見上げつつ、チームメイトと「頑張ろう」と誓い合ったはず。そんな青春ど真ん中の北條には「思い出ドラマチック大賞」を贈りたいと思います。