低調なバルセロナと復調したレアル リーガの行方を分からなくする2強の現状
超攻撃的なチームに変化したレアル・マドリー
ジダン就任後のレアル・マドリーは精神的に立ち直り、タイトル争いができる状態になったと言えるだろう 【Getty Images】
ジダン就任後に臨んだ4試合のうち、レアル・マドリーはサンティアゴ・ベルナベウで行われた3つのホームゲーム全てでゴールラッシュを実現している。早い時間帯に得点を重ねて勝負を決めてしまったが故、その後極端にペースを落として“シエスタ(スペイン語で昼寝の意)”に入ってしまったところは改善すべき点ではあるが、監督交代を機にBBC(カリム・ベンゼマ、ギャレス・ベイル、クリスティアーノ・ロナウドで形成される3トップ)やイスコ、ハメス・ロドリゲスらが活力を取り戻したことは確かだ。
現在のレアル・マドリーは彼ら攻撃陣に加え、前監督の細かな指示から解放された両サイドバックのマルセロとダニエル・カルバハルがFWのように繰り返し攻め上がる、超攻撃的なチームとなった。すでにC・ロナウドは19ゴールを決めてルイス・スアレスとともにピチチ(得点王に与えられる賞)争いの首位に並び、ベンゼマも自己記録まであと3ゴールと迫る18ゴールを挙げている。
また12月2日に行われた国王杯・カディスとの4回戦において、出場停止のデニス・チェリシェフを起用するミスによって、早い段階で国王杯を失格となったことで、しっかり休養をとりながらコンディションを上げていく余裕ができたこともプラスに働いている。ベースとなるシステムすら定まらなかったラファエル・ベニテス時代を経て、精神的に立ち直った今のレアル・マドリーは、十分にバルセロナとタイトルを争える状態にあると言えるだろう。
果たして今季のリーガは早々に決着がつくのか。順位表や試合結果はその可能性を支持しているが、ピッチ上のプレーを見るたび、異なる結末の存在を否定し切れなくなってしまう。
(翻訳:工藤拓)