琴奨菊が31歳で選んだ新たな“型” 左前みつ狙いが導いた初優勝
綱取りへ体制は十分
勝因を「根拠づくりができたから」と本人は言う。好成績は決して偶然ではないという自負の表れであった。「根拠」は自信の源となっていく。優勝を遂げた場所は、勝敗の結果で一喜一憂していた以前の姿はもはやなかった。結果より過程が大事ということを十分、実感しているからだ。
「自分を信じて、やるべきことをしっかりやって出し切る」と毎日、判で押したような同じコメントからは、揺るぎのない強靭な心も垣間見える。「相手への接着面を多くした」という復活した左四つからのがぶり寄りは、以前より数段、パワーアップ。加えて平常心というメンタル面の武器も手に入れた。
「大阪に行ったらガッツリきついトレーニングをやる」と琴奨菊再生のキーマンの1人、フィジカル面を担当する塩田宗広トレーナーも息巻く。
初となる綱取りの体勢はすでに整っている。