夏真っ盛り! U-15野球W杯へ向け始動 元ロッテ・清水直行、NZでの挑戦

清水直行

ニュージーランド野球に関わりはや3年

真夏のニュージーランドで練習に励む選手たち 【(C)SAMURAI JAPAN】

“ニュージーランド野球の挑戦”に相応しい2016年が幕をあけた。私が、ニュージーランドの野球に興味をもった12年のWBC予選から、すでに3年の時間が経過している。

 13年の1月、ここオークランドへ視察に訪れ、13年は日本と現地を行ったり来たりしながらのニュージーランド野球にふれることができた。14年も同様に活動を行い、11月にはニュージーランド代表U-21ワールドカップ台湾大会に帯同し、実際にチームとともに勝利を味わうことができた。3年目となった15年には、ニュージーランドのオークランドへ移り住み、生活習慣や国民性、文化、そして野球連盟の日々の活動を手伝うことができた。そこには、これまで私がいた環境にはなかった現実があり、考えもしなかったことに頭を抱えた時間があった。

 ごく身近に関わりはじめると学ぶことだらけだ。私の思い描く野球普及活動に少しでも近づくことができているのか。今でも悩みは尽きない。

夏にはチームで日本へ

 1月にオーストラリアで開催が予定されていたU-15野球ワールドカップのオセアニア予選が中止になったという知らせが、昨年12月末に飛び込んできた。出場を予定していたグアム代表から辞退の申し出があり、オーストラリア野球連盟とニュージーランド野球連盟と大会本部のWBSCが協議を行った結果であった。この突然の知らせには少々驚いた。それは、この大会に向け11月から代表選手選出トライアウトを行い、その結果で招集したU-15代表選手と、つい先日までトレーニングをしていたからだ。もちろん、1月の練習日程や渡航準備もしていた。

 そんな訳もあり、今年7月から8月にかけて、福島県いわき市で開催が予定されているU-15野球ワールドカップ日本大会へ、オーストラリア代表とともに出場することが決まったのだ。

南半球の熱い暑い挑戦が開始

 しかし、グアム代表の出場辞退は残念に思う。野球普及というところでは見過ごしてはいけない。それぞれの国において、大会に出場するうえでの課題が多く存在しているのだ。それに、大会出場を楽しみにしていた子供たちの気持ちを想像すると何ともつらい気持ちになる。こういう野球事情も把握しておかなければならないと受けとめている。

 1月15日、今年最初の練習。昨年12月の集中練習からクリスマスとお正月を過ごし、体の状態が変化していないだろうかと心配をしていたが、ニュージーランドは夏真っ盛りということもあり、子供たちは元気な姿を見せてくれた。

 日本大会までは、まだ6カ月ほどある。そこまでの一日一日と一回一回の練習日を、大切に過ごしてほしいところだ。7月ごろにはニュージーランドは冬を迎えているだろう。北半球における夏のスポーツへ、南半球の夏(12月)から熱い暑い挑戦はすでに始まっている。
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著者プロフィール

1975年11月24日生まれ 京都府出身。報徳学園高、日本大、東芝府中を経て、99年にドラフト2位で千葉ロッテに入団。2002年から5年連続で規定投球回と2桁勝利を継続し、エースとして活躍。05年は31年ぶりの日本一にも貢献した。04年のアテネ五輪、06年の第1回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に日本代表として出場。10年から横浜(現・横浜DeNA)。プロ12年間で通算105勝、防御率4.16。現役引退後は、ニュージーランド野球連盟ゼネラルマネジャー補佐、同国の代表統括コーチを務める。

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