男女セブンズはリオでどこまでいく? 両ヘッドコーチが語る現実と可能性

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提供:(公財)日本ラグビーフットボール協会

リーチ主将から学んだこと

W杯で躍進した15人制代表のリーチ・マイケル主将は五輪予選前の男子7人制代表にアドバイスを行った 【写真:アフロ】

 休憩を挟んで行われた第2部では、瀬川、浅見両HCとの質疑応答が行われ、選手選考や今後の強化スケジュールなどが議論された。

――五輪予選は大躍進した15人制のW杯直後でプレッシャーがかかったと思いますが、メンタル面で何か特別な準備はしましたか?

浅見 試合の入りなどで何かアクシデントがあると、それに耐えられずにプレッシャーで自分たちの力が発揮できないということが今までもずっとありました。そこでわざと移動のバスを遅らせて、テーピングを競技場で巻く、と伝えていたのをバスで巻くようにしたり、ウォーミングアップを選手だけでやらせたりしました。キャプテンは慌てていましたが、比較的落ち着いてやれたと思います。

瀬川 男子は(15人制主将の)リーチ・マイケルを呼んで、躍進のきっかけについて話をしてもらいました。15人制も南アフリカ戦の前にやったそうなのですが、不安な要素をホワイトボードに書き出して、自分たちで改善できるところは改善して消していく。消せないものは自分たちではコントロールできないものなので、小さいことにこだわらずに、自分たちがやってきたことだけをしっかり出す、という話をしてもらい、主将の桑水流(裕策)は同じようにしていました。

 普段は取材が入らないこともたくさんあるのですが、注目が集まりテレビカメラがたくさん来たことに戸惑いました。そして1番戸惑ったのが私でした(笑)。

武井壮さんが10歳若ければ……

大学まではバスケットボールの選手だった女子代表の中村主将 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

――7人制向きの能力、性格などはありますか?

瀬川 性格は明るくないとだめです。(セブンズは)自分のルーティーンを邪魔されることがたくさんあります。東京セブンズもそうですが、(スタジアムに)ロッカールームは4つしかありません。女子も来ると3つのロッカーを16チームでシェアします。ふだん、15人制は1チームに1つ与えられて準備をしますが、それが4チーム一緒です。さらに音楽もガンガン鳴っています。そんな思い通りにならないところで準備したものを出す必要がある。そういう意味で細かいことに左右されずに、なんでも切り換えられたりできる、ルーティーンを壊されてもあまり影響がないような選手というのが重要だと思います。

浅見 繊細すぎると難しいかもしれません。他競技(から転向した)選手はやるべきことが結構たくさんありますが、われわれが他競技からピックアップするのは、彼女たちの強みを見て推薦しているからです。ただ、どうしても「あれもやらなきゃこれもやらなきゃ」と繊細になってしまい、他の選手から言われたことに過敏になってしまうと厳しいと思います。

――選手選考で注目しているラグビー以外の競技はありますか?

瀬川 ハンドボールはセブンズと似ていると思います。方向転換であったり、瞬発的にスピードを上げたりする点、坂井(克行)は両足でステップを切りますが、近い部分はあると思います。

浅見 今、活躍してくれている選手が陸上の投てき種目出身が多いですね。下半身が非常にしっかりしているのと、短い時間で思い切り力を発揮するという面では近いと思っています。また、バレーボールの選手はやはりジャンプ力や高さで非常に力になるので、竹内(亜弥)選手はバレー出身の選手で、そういった選手は活躍できると思います。

瀬川 やはり走れることが一番の強みです。あとラグビーはそこまでうまくなくてもスピードがある、ステップがうまく切れる選手は大成する可能性が大いにあります。逆にラグビーは非常にうまいですが、そこまで足が速くないとか、身体能力的に突出してない選手は難しいと思います。現に米国のカーリン・アイルズはラグビーを始めて3年くらいで世界のトップ選手になっています。そういった意味では他を圧倒するスキル、一番はスピードで、あとは上背などがあれば可能性はあります。(現在42歳の)武井壮さんがあと10歳若ければ連れて行きました(笑)。ああいう選手が魅力だと思いますね。

――最後にメダルは取れますか?

瀬川 やはり金色を取りたいですね。ですが、本当に金を取るのはトップのトップだと思っています。今、日本ラグビー界全体で7人制に特化できているか、というと、自問自答する部分があります。やっぱり五輪で金メダルを取っている人を見ると、ストイックにすべてを犠牲にしてでも競技に集中している方しかいないですね。そう考えたときに「金メダルを取ります」というのは悔しいですが言えない部分があります。ですが、上位3チームに入ること十分可能だと思います。金メダルとは言えないですがメダルは目指したいですし、取れなければ僕の責任だと思っています。

浅見 アジア5位だった就任当時から「金メダル」と言い続けて、それを掲げてやってきています。これは言い続けなければいけないですし、金メダルを目指してやってきているチームなので、必ず取ります。

2016年の抱負は?

瀬川 まず一番大きな大会、五輪があります。また、昨年度悔しい思いをしたワールドシリーズの昇格大会がありますので、この2つの大会でベストパフォーマンスができるように、本当にセブンズに専念した1年が送れるように強化を図りたいと思います。

浅見 われわれはワールドシリーズがあと残り4戦あります。まず、4戦でしっかりステップアップして、五輪までの期間をうまく使って強化していきたいです。金メダルが取れるように頑張ります。

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