関東の星となれ3歳ノンコノユメ 自慢の鬼脚でダート世代交代へ

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武蔵野Sを選択した狙い

中2週でも自信を見せる加藤征調教師、春とは馬の中身も違う 【netkeiba.com】

 JBCクラシックに登録はあったものの、ノンコノユメの秋初戦は武蔵野S(GIII)と当初から決まっていたという。

「(チャンピオンズCが行われる)中京は追い込みがききにくいですから、ある程度の位置を取ってレースがしたいですよね。(武蔵野Sで)1600mの速い流れを経験したことで、1800mになる今回、ある程度の位置を取れるかもしれないですし、もしそれができなくても道中での追走が楽になると思うんですよ」

 チャンピオンズCを見据えての、明確な理由があっての武蔵野S出走だった。

 休み明け、初めての古馬対戦、そして58キロの斤量と、3歳馬のノンコノユメにとって決して楽な条件ではなかった。実際、直線では伸びてきてはいるものの、その脚はいつもより若干切れが鈍っているように映り、なかなか先頭に追い付かない。それでも徐々に前に迫ると、ゴール前でタガノトネールに馬体を合わせ、ゴール板ではハナの差だけ抜け出して重賞3勝目を挙げた。

「直線に向いてから反応が遅かったのは、久し振りの分ですね。坂を上ってからユニコーンSのような切れがなかったのは、斤量でしょう。JDD後は少しソエが出ましたけど、今回はそのようなこともありません。多少背腰に疲れはありましたけど、それは競走馬として(許容)範囲内のものですから。今回は中2週でチャンピオンズCですけど、春シーズンのユニコーンSからJDDに中1週と3日で向かった時より、馬もかなりしっかりしてきていますからね。そのような状態での中2週と、まだ弱さがあって成長段階でのそれとは違います」

 体がしっかりとしてきた今は、休み明けで58キロを背負った反動もなく、中2週でも状態に不安はないようだ。

 本番に向けて11月29日(日)に予定通りウッドチップコースで時計を出し、12月3日(木)に最終追い切りを無事終えて、臨戦態勢は整った。

「扱いやすいですけど、何を考えているのかわからないんですよ」と、加藤は同馬の性格を教えてくれた。それでいてレースとなると「最後だけ伸びてくれば良いとわかっているんでしょうね」と加藤が言うように、力の出しどころがどこかをしっかり理解して走ってもいるように見える。そんな得体の知れなさが、あの末脚につながっているのではないかとも思う。

 追い込み馬には向かないとされる中京コースだが、ノンコノユメなら、不利な条件をものともせずに鬼脚を炸裂させて大仕事をやってくれる。そんな予感がしてならない。

(文中敬称略)

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