リコンディショニングで次のレースに備える

青山剛

うまくいかなかったケースからしっかり学ぼう!

【青山剛】

<ケース1>
「中盤もしくは30キロ以降から目標ペースが保てなくなり、ずるずるペースダウンしてしまった」

原因:スタミナの不足
改善点:総合的な練習不足が主な原因なので、LSDなどを取り入れた走り込みをしっかり行う

※リンク先は外部サイトの場合があります

<ケース2>
「前半から呼吸が結構きつく、中盤以降は全くペースが保てなかった」

原因:スピード不足
改善点:5キロの自己ベストから算出される適正ペースよりも速すぎた可能性があるので、もう一度設定をし直し、スピード練習をしっかり行う
<ケース3>
「ペースのアップダウンが激しく、終盤ガクッと走れなくなった」

原因:ペース感覚の不足
改善点:ペース走を取り入れて、ペース感覚をしっかり養う。
<ケース4>
「中盤以降、足など体の一部が急激に痛み、呼吸が楽なのに痛くて走れなくなった」

原因:体の柔軟性の欠如、体幹を使って走れていない
改善点:日々の練習前後にしっかりストレッチ、体幹スイッチ・エクササイズを行う。
<ケース5>
「練習もしっかりこなせ、ペースもばっちりだったのに、30キロあたりから原因不明のペースダウンになってしまった」

原因:脱水、もしくはエネルギー切れ
改善点:5キロごとの給水でしっかり水分を摂り、10キロ、20キロ、30キロ、35キロで、エナジージェルなどで糖質を補給する
 もちろん、このほかにもいろいろなケースがあると思いますが、指導経験上、うまく走れなかった場合、だいたいこの5パターンくらいに分類できるので、まずは大会結果と内容、これまでのトレーニングをもとに検証して、次の大会に備えましょう。
 逆に目標達成できた方は、今後タイムアップを目指すも良し、より楽に走れるようになるも良しですので、正しく「上手に」なっていってください。

 最後に12月のトレーニングメニューですが、年明けからまた良いトレーニングがリスタートできるように、しっかり「リコンディショニング=体調を整える」ことを意識してください。この秋の大会の結果が思わしくなかった方の場合、すぐに練習を再開したい気持ちは分かりますが、まずはこれまで頑張ってきた体を休ませてください。ここでしっかり休めない方は、次の肝心なトレーニング期で故障してしまったり、体調を崩してしまいます。

12月の週間トレーニングメニュー

【青山剛】

※平日×1日、週末2日の計3回練習を基本とした例

<平日>
・ジョギング45〜60分×3

<週末、年末年始休み>
・トレイルウォーク、トレイルラン、ロングウォークなどを気分転換として取り入れましょう。

※本連載「青山剛のランニングナビ」を元にした、マラソントレーニングがすべてわかる書籍(新書)が完成! 最新刊「マラソンで自己ベストを出したいなら、全力で走るな!(洋泉社)」は絶賛発売中です。

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著者プロフィール

元プロトライアスリート。大学時にプロ活動を開始し、1999年世界選手権日本代表に選出される。その後トライアスリート中西真知子選手のコーチとなり、指導者としての活動をスタート。同選手を2004年アテネ五輪出場に導く。現在は、ランニング、トライアスロン、クロストレーニングのコーチとして競技者から初心者、子供、タレントまで幅広く指導。著書に『ランニング・コアメソッド』『DVDパーフェクトストレッチ100』など多数。(社)日本トライアスロン連合強化チーム・指導者養成委員 元日本オリンピック委員会・強化コーチ

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