マラソン「30キロの壁」はウソ!? 本当の壁は「90分」にあった!

青山剛

【青山剛】

 前回は、初心者〜初級者向けのフルマラソン完走必勝法を紹介しました。冬第3回となる今回は、フルマラソンを経験した多くの方が感じたことのある「30キロの壁」についてご紹介します。

 始めにズバッと結論をいうと、30キロの壁は「一部の人」にしかないということです。その一部の人とは、皆さんがテレビで観戦するような、五輪や国際大会などの「男子トップランナー」の選手たちです。

エネルギーは「90分を走る分」しか入らない

【Getty Images】

 そもそも、30キロの壁とはどういうことでしょうか? おそらく多くの方が感じた「壁」とは、足が急に重たくなり、体の動きも鈍り、それまで走ってきたペースが保てなくなる現象だと思います。

 では、なぜこのような現象が起きるかというと、その理由の大半は「エネルギー切れ=ガス欠」によるものだと科学的にも立証されています。

 人が「ギリギリ保てるペース=大会で頑張るペース」で運動をし続ける場合、いくらスタート前までにいっぱい食べて補充しても、そのエネルギーは「90分を走る分」しか入りません。車で例えると、ガソリンを満タンにして、その車の全開スピードで飛ばすと、90分でガソリンが空になって走れなくなってしまうイメージです。

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著者プロフィール

元プロトライアスリート。大学時にプロ活動を開始し、1999年世界選手権日本代表に選出される。その後トライアスリート中西真知子選手のコーチとなり、指導者としての活動をスタート。同選手を2004年アテネ五輪出場に導く。現在は、ランニング、トライアスロン、クロストレーニングのコーチとして競技者から初心者、子供、タレントまで幅広く指導。著書に『ランニング・コアメソッド』『DVDパーフェクトストレッチ100』など多数。(社)日本トライアスロン連合強化チーム・指導者養成委員 元日本オリンピック委員会・強化コーチ

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