JリーグCSを制するのはどのチームか!? 出場3チームのシーズンデータ徹底比較

 Jリーグが産声を挙げた1993年から2005年に至るまで、96年を除いては真の王者を決めるのは当然のようにチャンピオンシップ(CS)だった。その後はリーグ戦の年間勝ち点で優勝を争うようになり、今シーズン、Jリーグは満を持してCS復活を決めた。その背景には、リーグの露出拡大などの台所事情も見え隠れする。Jリーグの人気回復は、CSの盛り上がりが鍵を握っていると言っても過言ではない。

 そのCSに出場を決めたのは3チーム。セカンドステージで優勝を収め、年間勝ち点1位からの完全優勝を狙うサンフレッチェ広島。ファーストステージを無敗でモノにし、どこよりも早くCSに向けた準備をすることができた浦和レッズ。そして、リーグ最終節でFC東京を跳ね除け、滑り込みで出場を決めたガンバ大阪。彼らはこの大舞台で、私たちにどのような輝きと興奮を届けてくれるのだろうか。データスタジアム社協力のもと、3チームの2015シーズンの戦いぶりを分析し、特徴となるデータをあぶり出した。いつものJリーグとは違う「クライマックス」を、このデータとともに存分に楽しんでいただきたい。

広島は最終ラインからのロングカウンターで得点が定石!?

【データおよび画像提供:データスタジアム】

 今シーズンの広島の総得点は、昨シーズンに比べて24得点も増えた。それだけ今シーズンの戦い方がハマっていたという証拠だろう。最大の特徴は、ディフェンシブサード(ピッチを3分割した時の自陣側)でボールを奪い15秒未満に奪った得点がリーグダントツの13ゴールであったこと(2位浦和は6ゴール)。この数字は、広島が自陣低い位置で多くボールを奪っていることを表している。相手にボールを持たせて自陣に攻め込ませる=相手陣内のスペースが空く、という考えの下に、低い位置で確実にボールを奪い、素早いロングカウンターで一気に仕留めているのだ。さらに途中出場でのゴール数は、浅野拓磨が8ゴールでリーグトップ。2位のズラタン(浦和)が奪ったゴールは半分の4ゴールだ。相手が疲れ出した後半、鋭いロングカウンターから途中出場のフレッシュな選手でゴールを奪う――。そんな光景を思い浮かべながら、広島の巧みな試合運びに注目してほしい。

粘り強く戦い、サイド攻撃を得意とする浦和

【データおよび画像提供:データスタジアム】

 浦和の今シーズンは顕著なデータが多く見られた。中でも気になったのが逆転勝ちの多さ。相手に先制を許した試合の勝率は脅威の60%でリーグ1位。今季10試合で先制を許しているのだが、6勝2分け2敗という成績だ。参考までに、2位は広島の41.7%、3位は鹿島アントラーズの23.1%である。浦和を相手に先制をしたとしても、決して安心することができないのである。また、クロスからのゴール、クロス数やその成功数など、クロス関連のデータは軒並みリーグ1位を記録している。そしてワンタッチでのゴール数も48で1位と、サイド攻撃からの攻撃を勝利の方程式としている。また図にはないデータだが、対戦相手のドリブル成功率(40.8%)、パス成功率(71.8%)が共にリーグでも下位の水準となっている。ボール保持者に素早くチェックに行き、相手に自由にプレーをさせないサッカーを展開できているというデータも特筆すべきデータである。

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