HARASHIMAと棚橋が遺恨を清算 棚橋が煽りパワポで両国発言を謝罪

高木裕美

DDT両国大会での一騎打ちで生まれた遺恨

HARASHIMAと遺恨を清算した棚橋は両国発言を謝罪 【横田修平】

 17日のDDTプロレスリング東京・後楽園ホール大会では、「#大家帝国主催興行〜マッスルメイツの2015〜」を開催し、超満員札止めとなる1800人を動員。8.23両国国技館大会でわだかまりが生じた、HARASHIMAと新日本プロレス・棚橋弘至がタッグで対戦し、衝撃的なフィナーレを迎えた。

 #大家帝国(男色ディーノ&スーパー・ササダンゴ・マシン&大家健)は、今年の「DDTドラマティック総選挙2015」ユニット部門でブッチギリの第1位を獲得。今回の自主興行開催にあたり、2010年10.6後楽園大会で一旦は幕を閉じた「マッスル」の復活と、HARASHIMAと棚橋の再戦実現を訴えた。

 HARASHIMAと棚橋は、8.23DDT両国大会で初の一騎打ち。エース対決として大いに注目されたが、試合後、勝利した棚橋が「オレは珍しく怒ってるよ。グラウンドで競おうとか、打撃で競おうとか、技で競おうとか。ナメたらダメでしょ。これは悪い傾向にあるけど、全団体を横一列で見てもらったら困るんだよ! ロープへの振り方、受け身、クラッチの細かいところにいたるまで、違うんだから。『技が上手だね、マスクがいいね、筋肉がすごいね』じゃないところでオレらは勝負してるから」と感情むき出しでコメントしたことで、選手にも、ファンの間にも、大きなモヤモヤを残していた。

 10.7後楽園大会で、大家は号泣しながら「両国、HARASHIMA、悔しかっただろ。でも、悔しかったのはDDTのファンみんな。オレはファン全員の気持ちを受け止めて、おまえとタッグを組んで、棚橋と戦うぞ」と涙でタッグ結成を直訴。HARASHIMAも「悔しくて、自分ですごく消化できない問題だった。僕はいつでも準備はできてる。自分はいつでもやってやります」と出撃を示唆したことで、両方の会社をも動かし、今大会でHARASHIMA&大家組vs.棚橋弘至&小松洋平組が実現することとなった。

割れんばかりの「DDT」コールにもひるまず

【横田修平】

 新日本では絶対的エースの棚橋だが、この日は歓声とブーイングが入り混じる中を入場。割れんばかりの「DDT」コールにもひるむことなく、真っ直ぐに大家を挑発する間に、小松がHARASHIMAにエルボーで急襲し、そのまま試合に突入する。HARASHIMAは小松にエグいストンピングを連発。一方、棚橋は張り手一発で大家を倒すと、場外でHARASHIMAと乱闘する。

HARASHIMAが蒼魔刀で小松を粉砕

【横田修平】

 5分経過。棚橋はあえてHARASHIMAを挑発し、大家を踏みつけながらエアギター、逆エビ固め。大家が小松にブレーンバスター。ようやくタッチを受けたHARASHIMAが、棚橋にミドルキック連打。
 10分経過。HARASHIMAが棚橋をコーナーに据え、大家のアシストを受けて雪崩式ブレーンバスター。しかし、棚橋も直後にツイスト&シャウト。エルボーの打ち合いから額をくっつけ、拳で殴り合う。
 15分経過。大家が棚橋に炎のスピアー。HARASHIMAが小松にハイキック、リバースフランケンシュタイナー、蒼魔刀とたたみかけ、フィニッシュを決めた。

棚橋「オレの独りよがりでした、ごめん」

【横田修平】

 敗れた棚橋は、坂井を放送席に呼び寄せると、「試合が終わった直後ですが、プレゼンテーションを始めたいと思います」と、突然煽りパワポを開始。状況が飲み込めない観客の前で、「プロレス界をもっと盛り上げる方法」についてプレゼンを始める。
 まずはこのプレゼンのオファーを受けるまでの流れとして、DDTと新日本が極度の緊張関係にあるため、坂井と棚橋が互いに所属する松竹芸能とマセキ芸能の友好関係から、坂井が直メールでオファーし、棚橋もうっかり了承したとのこと。

 8.23両国の発言に関しては、自分が最も影響を受けた95年10.9東京ドーム大会での武藤敬司vs.高田延彦の試合に対し、両国も両団体のエース対決だったが、20年前、大学1年だった自分が感じた興奮と熱狂を上回れなかったという悔しさから、感情をぶちまけてしまったとの事。「DDTのエースのHARASHIMAに向けてではなく、オレの独りよがりでした。HARASHIMAさん、ごめん」と、ハッキリと謝罪した。

棚橋がDDTファンも騒然の展望を発表

【横田修平】

 さらに棚橋は、もっともっとプロレス界を盛り上げるため、

1.4東京ドームでIWGPヘビー級を奪取
8月に「G1クライマックス」2連覇を達成
9月にDDT総選挙に出馬
11月にユニット主催興行開催

 という、DDTファン騒然の展望を明かした上で、「今日ここにいるすべての皆さん、愛してまーす!」とプレゼンをまとめた。

 棚橋と拳を突き合わせたHARASHIMAは、「とりあえず、いろんな気持ち。混乱してます」と、急展開に戸惑いながらも、「棚橋選手、大丈夫なのかな? みんなが笑顔でいるこの空間がプロレスで生まれたのならいいと思ってます」と、いつものスマイル。棚橋、そして大家と同様にプロレスをメジャースポーツに押し上げるという目標を果たすべく、最後は「鍛えてるからだー!」で締めた。

■DDT「#大家帝国主催興行〜マッスルメイツの2015〜」
11月17日(火)東京・後楽園ホール 観衆:1800人(超満員札止め)

<メインイベント スペシャルタッグマッチ 30分1本勝負>
○HARASHIMA、大家健
(17分36秒 蒼魔刀→体固め)
棚橋弘至、●小松洋平

<セミファイナル 30分1本勝負>
○竹下幸之介
(13分16秒 ジャーマン・スープレックス・ホールド)
●マッスル坂井

<第3試合 全日本手相撲選手権決勝戦>
[新生マッスル軍]○藤岡典一
(0分42秒 捻り出し)
[新生マッスル軍]●山里亮太
※藤岡が優勝

<第2試合 30分3本勝負>

【変則ルール】

[新生マッスル軍]○大石真翔、○勝俣瞬馬
(5分43秒 ミラクルエクスタシー×ミラクルエクスタシー→エビ固め)
[旧マッスル軍]●男色ディーノ、●アントーニオ本多

【特別ルール】

[旧マッスル軍]男色ディーノ、●アントーニオ本多
(14分04秒 十字架固め)
[新生マッスル軍]○大石真翔、勝俣瞬馬

※2−0でKAT−TOOが勝利

<オープニングマッチ オンリー丸め込みタッグデスマッチ 30分1本勝負>
[新生マッスル軍]○久保佑允、7代目Mr.マジック
(12分05秒 首固め)
[旧マッスル軍]ペドロ高石、●趙雲子龍
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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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