6年ぶりに日本と対戦する韓国代表の戦力 韓国記者たちは接戦で日本勝利と予想

室井昌也

スタメン9人中5人は09年WBCを経験

2年連続50発を記録したパク・ビョンホは大谷との対戦を心待ちにしている 【ストライク・ゾーン】

 WBSC野球ランキングの上位12位までの国と地域が出場する、新しい国際大会「WBSC世界野球プレミア12」。その開幕戦、日本対韓国が8日、札幌ドームで行われる。日本と韓国のトップチーム同士の対戦は、2009年の第2回ワールドベースボールクラシック(WBC)決勝戦以来、2421日ぶり。前回の対戦で日本は3−3で迎えた延長10回表、イチローの2点タイムリーで勝ち越し、最後はダルビッシュ有が三振で締め、大会2連覇を達成した。約6年の歳月を経て、大きくメンバーが入れ替わった日本。それに対する韓国は今大会にどのような顔ぶれで臨んでくるのか。

日本との開幕戦、韓国の予想オーダーは以下の通りだ。

中:イ・ヨンギュ(ハンファ)△
二:チョン・グンウ(ハンファ)
左:キム・ヒョンス(トゥサン)△
指:イ・デホ(福岡ソフトバンク)
一:パク・ビョンホ(ネクセン)
右:ナ・ソンボム(NC)△
三:ファン・ジェギュン(ロッテ)
捕:カン・ミンホ(ロッテ)
遊:キム・ジェホ(トゥサン)
※△は左打者


 このオーダーの中で6年前のWBCで日本と対戦している選手は5人。そのうち1〜4番は前回の日本戦を経験している。俊足で気迫あふれるプレーを見せ、08年北京五輪準決勝ではウイニングボールをキャッチし、グラウンドにうずくまった姿が印象的なイ・ヨンギュ(30歳)。俊敏な動きと積極的なプレーが特徴の二塁手、チョン・グンウ(33歳)の1、2番コンビは代表チームの常連だ。

 3番に座るのは09年のWBCで、打率3割9分3厘を残し、大会ベストナイン指名打者部門に選ばれたキム・ヒョンス(27歳)。4番は今年の日本シリーズでMVPを獲得したイ・デホ(33歳)が座る。さらに8番に入る、韓国の強打の正捕手カン・ミンホ(30歳)も6年前を知る選手だ。

2年連続50発男は大谷との対戦を心待ちに

 予想オーダーの中で、日本のトップチームと初対戦となる4人は近年の活躍が目覚ましい選手たちだ。中でも5番のパク・ビョンホ(29歳)は4年連続、本塁打王と打点王の2冠を手にし、韓国初の2年連続50本塁打を放った長距離砲。太い二の腕に広いスタンス、ひねりを加えた姿勢から繰り出す力強いアッパースイングは、時にスコアボードの上を超す、どでかい一発を生み出してきた。

 派手さだけではなく打率はリーグ5位の3割4分8厘。12年には20盗塁を残すなど、走塁技術も備えている。パク・ビョンホは日本の先発登板が予想される大谷翔平(北海道日本ハム)について「若いのに160キロのスピードボールを投げられてすごい」と興味を持ち、対戦を心待ちにしている。

 プロ4年目、6番のナ・ソンボム(26歳)の今季の成績は、打率3割2分6厘、28本塁打、135打点、23盗塁。走攻守、三拍子揃った柳田悠岐(福岡ソフトバンク)を連想させるプレーヤーだ。ナ・ソンボム自身も「日本の試合映像を見た時に、イ・デホ選手と同じチームに思い切ったスイングをする、自分好みの選手がいて興味を持った。それが柳田選手と知ってインターネットで検索もした。自分とスタイルが似ている」と話している。

 韓国の野手は15人。その中で6人を占めるのがトゥサン所属の選手だ。公式戦3位のトゥサンは準プレーオフ、プレーオフを勝ち上がり、韓国シリーズで公式戦1位のサムスンと対戦。4勝1敗でサムスンの5連覇を阻止した「下剋上軍団」である。強肩強打が魅力で外野手唯一の右打者、ミン・ビョンホン(28歳)、俊足セカンドのワイルドガッツマン、オ・ジェウォン(30歳)らの今、波に乗る選手たちがベンチに控えているのは、日本にとって不気味だろう。韓国打線はバラエティーに富み、充実した戦力を擁している。

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著者プロフィール

1972年東京生まれ。「韓国プロ野球の伝え手」として、2004年から著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』を毎年発行。韓国では2006年からスポーツ朝鮮のコラムニストとして韓国語でコラムを担当し、その他、取材成果や韓国球界とのつながりはメディアや日本の球団などでも反映されている。また編著書『沖縄の路線バス おでかけガイドブック』は2023年4月に「第9回沖縄書店大賞・沖縄部門大賞」を受賞した。ストライク・ゾーン代表。

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