6年ぶりに日本と対戦する韓国代表の戦力 韓国記者たちは接戦で日本勝利と予想
北京五輪で日本を封じた左腕が先発
日本戦の先発が予想される左腕キム・グァンヒョン。09年WBC以来、6年ぶりの日本戦登板となる 【ストライク・ゾーン】
その中で日本戦の先発が予想されるのはキム・グァンヒョン。08年の北京五輪では日本戦に2度先発し、予選では5回1/3を投げ被安打3、失点1。メダルを懸けた準決勝では8回被安打6、失点2で勝利投手になり、「日本キラー」として当時、名を馳せた。
しかしそのキム・グァンヒョンに対し日本は、北京五輪の翌年のWBCで、試合開始直後にイチロー、中島裕之、青木宣親の3連打で攻略。その後も攻め続けた日本はキム・グァンヒョンから2回途中まで7安打、8点を挙げ、マウンドから引きずり降ろすことに成功している。
4日のキューバとの親善試合に登板したキム・グァンヒョンは日本戦に向けて、「日本は自分のことを直球とスライダーの投手だと知っている。そこで今日はカーブとチェンジアップを多めに投げた。(それらの球種で)空振りを奪えて、ボールにならずにヒットを打たれたことにむしろ満足した」と話した。
また「日本戦では失敗した経験が1度ある。その後、勉強して日本の打者のスタイルもわかった。コンディションはいいので、勝てるようにしたい。今回、4度目の代表入りで余裕が持てるようになっている。“今回の韓国代表はピッチャーが良くない”と言われるので、いいところを見せたい」と語った。話の内容は力強いが、語り口は6年前と変わらずあどけなさが残る。はにかんだ表情も当時のままだ。
先発投手以外は全員ブルペンで待機
「短期決戦なので試合が始まったらすぐにブルペンは準備をします。先発を除いた12投手、全員が待機です」
心配される投手陣の中でポイントとなりそうなのが、左のチャ・ウチャン(28歳=サムスン)だ。今季先発として13勝7敗。194個の三振を奪い、奪三振のタイトルを獲得している。140キロ台後半の速球にカーブ、スライダーの持ち球に加え、シーズン後半からスプリットを自分のものにした。過去にリリーフの経験もあることから、今大会ではフル回転の活躍が期待される。
チャ・ウチャンは日本戦について、「坂本(勇人=巨人)選手はキャンプの練習試合で何度か対戦しているが、どう抑えればいいかとても悩む打者です。代表で対戦できるというのはいい経験になるし、たくさんの試合で投げたいです」と代表入りに喜びを感じている。
韓国記者20人中17人が「日本勝利」
両チームの点差予想では2点差が最も多く8人。スコアでは「3−1で日本が勝つ」とした記者が4人で最も多かった。韓国投手陣の評価が低い中で、ロースコアを予想していることから、言い換えると、「大谷が韓国打線を2点以内に抑えると日本の勝利、韓国打線は大谷から3点以上取れば、流れが韓国側に傾く」と言ったところか。
キム・インシク監督は日本との対戦についてこう話す。
「実力は明らかに日本の方が上です。しかし、国際大会では必ず接戦になる。だから面白いんです」
過去10年の日韓のトップチーム同士の対戦は6勝5敗で韓国がわずかに勝ち越している。両者に対して、見る人それぞれ好き嫌いはあれど、お互いにとって数々の激戦を繰り広げてきた好敵手であることは間違いない。11月8日、札幌ドームでどんな戦いが見られるか。