15−16V・プレミアリーグ男子が開幕 全日本の南部監督が語る注目ポイントは?

中西美雁

五輪やOQTを見据えて

全日本には石川祐希らVリーグに参加しない選手たちもいる。彼らには個別で合宿を組む予定だ 【坂本清】

――外国人選手で、「OQTに出場するかもしれない」「リオ五輪で戦うかもしれない」という観点から注目する選手はいますか?

 リオで戦うという意味では、レアンドロ・ヴィソット(JT)、エバンドロ・グエッラ(サントリー)という二人のブラジル代表選手にはとても注目しています。私が全日本の監督に就任してから、まだブラジル代表とは戦ったことがありません。その意味で、リオでいかに戦うかというところでこの2人は大切です。

 また、この2人以外にも、元ブルガリア代表のマテイ・カジースキ(ジェイテクト)は、代表には戻らないと本人は言っていましたが、今現在も世界的な選手であることは間違いない。先に挙げたブラジル代表の2人を含め、彼らの放つ世界トップレベルのサーブや高いスパイクにいかに対応していけるか。そしてカジースキがレフトに入るならば、いかに日本人選手がサーブで崩していけるか。高く、技術のあるブロックを相手にするという意味でもこの3人には非常に興味を持っています。皆さんにも、是非注目していただきたい。

――Vリーグに参加しない選手を含め、若手を強化するために予定していることを教えてください。

 12月にはインカレや天皇杯があります。各大学でチーム練習と身体作り、1月には個別にこちらで合宿を組む体制をしきます。そして2月には海外のチームと親善試合をしたいと考えています。対戦相手は、ブラジルやヨーロッパの国を想定しています。Vリーグの選手も、来れるようになった選手から招集する予定です。

ブームで終わらせないために

復活したバレー人気をブームで終わらせないために。南部監督は、選手たちの奮起に期待している 【坂本清】

――バレー人気が復活しつつあることについて、NEXT4を命名するなど、その立役者の一人としてどう思われますか?

 私も立役者に入るんですか(笑)。今回バレー人気が復活しかけていることについては非常にうれしく思っています。これはもちろん選手たちが頑張ってくれたこともありますが、そのほかにもメディアの方々や各合宿などでお世話になっている方々のおかげでもあると考えています。

 選手個人のファンというのは、もちろんありがたいことです。精いっぱい好きな選手を応援してやってください。ただ、試合を見るときに、せっかくならその好きな選手だけを見るのではなくて、やっぱりチームスポーツですので、いかにボールが落ちないか。どうやってボールをつなぎ、得点しているのか。そのあたりも見ていただきたいですね。

 好きな選手を見るだけだと、その選手が出たか出ないか、調子が良いかどうかだけが注目点になってしまうじゃないですか。できたら楽しみを広げていただけるとうれしいなと思うんですよ。ボールの行方を見て「ああ、今日はこっちがいきそうだな」とか予想しながら見てみるとか。

 今回の人気も一過性のブームで終わるのではなく、持続して、もっと広げていかなければならない。そのために全日本がやれることはまず勝つことですが、メディア対応もしっかりさせていただくことも大事ですよね。今年度は「人気復活」と「勝利」の両軸でやってきました。ですから、全日本選手はそういう意識でリーグ戦も戦ってくれると思います。全日本に登録されなかった選手もこの機会をしっかり捉えて自分のファン、チームのファン、バレーボールファンを少しでも増やす良いきっかけにしてほしい。

 15−16シーズンは五輪、OQT前に行われる最後のシーズンとなりますから、リーグで戦う選手たちにとっては全日本への最後のアピールの場となります。是が非でも会場に足をお運びいただくか、テレビや動画配信などでご覧になってみてください。

 バレーボール、おもしろいですよ。

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著者プロフィール

名古屋大学大学院法学研究科修了後、フリーの編集ライターに。1997年よりバレーボールの取材活動を開始し、専門誌やスポーツ誌に寄稿。『バレーボールスピリット』(そしえて)、『バレーボールダイジェスト』(日本スポーツ企画出版)、『球萌え。』(マガジンハウス)『全日本女子バレーコンプリートガイド』(JTBパブリッシング)などを企画編集。現在はwebスポルティーバ、バレーボールマガジンなどで執筆活動を行っている。

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